2010 年 6月16日  音の速さを測ろう
 

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  今回の実験は、「 音の速さを測ろう 」 、 音速の測定です。

普段、雷や花火を見ていると、音が遅れて来るのが良くわかります。

はたして、自分たちで、音の速さが測れるでしょうか?

 

   梅雨入りが気象庁から宣言され、朝から土砂降りでした。 クラブのある午後の天気予報は曇りで、

降水確率は30%でした。 しかし、昼ごろからは日がさして、かなり暑くなってきました。

これなら、予定通りできそうです。

 

  今回の実験は、運動会で使うピストルとストップウォッチを使って、音の届く時間を計測します。

距離が十分に取れれば、それなりに正確に測れると思いますが、学校のグランドは、対角線でも

110m程度でした。 また、グランドは他の運動クラブが使用しているので、グランドは使えませんでした。

  本当は土手に行って、十分な距離をとって測定したかったのですが、移動するだけでクラブの時間が

終わってしまうので、 今回は土手には行けません。 他の候補地に、学校に隣接した畑越しに、

230mほどの距離を稼げるところがあったのですが、 農作物で見通しが今ひとつだったのと

移動に若干時間がかかるため、学校の隣接した道を使わせてもらいました。

( 本当は、市道なので市に使用許可をもらわないといけないのかもしれません。・・・ )

 

  中央やや左下に見えるのが学校のグランドです。 ここに隣接する道の直線部分(黄色い線)を使って、

測定しました。 距離は、140m でした。  黄色い線の右下の下端部分に、担当の先生に運動会の

ピストルを持って立って頂き、ピストルを撃ってもらいました。 児童たちは、黄色い線の左上の上端部に

立ってもらい、先生の合図(ピストルの光)とともにストップウォッチをスタートし、 音が聞こえたら

ストップウォッチを止めてもらいます。 ストップウォッチのスタートは、合図(「用意!」で、手を上にあげ、

手を下に下げ始め、下に下がった瞬間にピストルを撃ってもらう ) があるので、実際のピストルとほぼ同時に

押せると思いますが、音が聞こえてから止めるまでの時間は、どうしても反応してから押すまでの

タイムラグが生じてしまいます。 このため、実際の時間より、長めになってしまうと思われます。

  このため、事前に、PCのソフト、刺激と反応 というソフトを使って、みんなの音の反応時間を

測定しました。(ピストルの音ではなく、鳥のさえずりです。) 反応時間は、0.314秒から 0.646秒まで

とまちまちでした。 実際の予想される時間は、 140(m)÷340(m/秒・音速)= 0.41(秒)なので、

かなり影響を受けてしまうと思われます。  みんなの計測時間から、反応時間を引いて、実際の

時間としようと思いました。 一人ひとりずつの反応時間を計測している間、担当の先生と他の児童達は、

ストップウォッチの使い方や、ピストルを打つ際の合図について、打ち合わせをしてもらいました。

 

 

  いよいよ、道路に移動して、実際に計測が始まります。

まずは、先生にピストルを用意して立ってもらいました。

みんなの位置から先生をみると、こんな感じです。

やっと、先生がみえる程度です。 道はカーブしており、また、今の時期は農作物(トウモロコシ)が

あるので、畑越しには先生がみえませんので、ぎりぎり先生がみえる所までとしました。

( 音は聞こえても、合図が見えなければ、ストップウォッチのスタートボタンが押せないため。)

 ここの地点が、先生のところから 140mでした。

 

先生の方からみんなを見ると、こんな感じです。

 

 

それでは計測を始めます。

みんな真剣な面持ちで、先生の方を見ています。

 

「 用意!」  バーン! 

 

みんな うまく測れたかな?

一人ひとり、報告してもらいます。

 

ストップウォッチがうまく止まらないこともありました。

一人、2回ずつ計測してもらいました。

  1回目(秒) 2回目(秒)
A 君 0.78 0.63
B さん 0.4 0.24
C さん 0.43 0.48
D さん 0.32 0.26
E さん 0.20 0.26
F さん 0.8 0.16
G さん 0.44 0.39
H さん 0.36 0.38
I さん 0.35 0.30
J さん 1.55 0.26
K さん 0.63 0.35
L さん 0.82 0.24
M さん 0.72 0.26

中には、明らかにストップウォッチを押すのが遅れた人もいるようです。

ここで、管理人は思ったのですが、先に一人一人計測した、反応時間をこれらの計測時間から

引くと、あきらかに時間が少なくなってしまったり、マイナスになってしまうのです。

 

  これは、リハーサルや、他の人がやっているのを何度も見たり聞いたりしているうちに、

先生の合図(実際にピストルを撃った時)から、どのぐらいで自分たちの所まで音がやって来るのか

タイミングがつかめる様になるため、音の来る時間を予測してストップウォッチを止めており、

上記の時間が音の実際の到達時間のようでした。 このため、反応時間をひいて補正する必要はないようです。

( 科学的には、議論の余地がかなりあると思いますが、「 このようにして音の速さが測れるよ。」 というのが

  分かってもらえれば良いので、 この辺で次に進めます。)

 

みんな、2回ずつ記録したところで、クラブの時間も終わりに近づきましたので、結果は次回に

報告することにして、終わりとなりました。

みなさん お疲れさまでした。

 

 

 

管理人は、家に帰ってから、早速、データを集計し、音速の計算をしました。

1回目、2回目の平均をとり、距離を140m として、音速の計算をしました。

( 速さ )=(道のり)÷(時間)です。

  1回目(秒) 2回目(秒) 平均 (秒) 距離(m) 音速(m/秒)
A 君 0.78 0.63 0.705 140 196.6
B さん 0.4 0.24 0.32 140 437.5
C さん 0.43 0.48 0.455 140 307.7
D さん 0.32 0.26 0.29 140 482.8
E さん 0.20 0.26 0.23 140 608.7
F さん 0.8 0.16 0.48 140 291.7
G さん 0.44 0.39 0.415 140 337.3
H さん 0.36 0.38 0.37 140 378.4
I  さん 0.35 0.30 0.325 140 430.8
J さん 1.55 0.26 0.905 140 154.7
K さん 0.63 0.35 0.49 140 285.5
L さん 0.82 0.24 0.53 140 264.2
M さん 0.72 0.26 0.49 140 285.7

かなり、バラツキがあります。

13人の平均をとると、

 

      343.4 m/秒   

                                     と なりました。

      343.4 ± 64.1 ( 279.3 〜 407.5 、 95%信頼区間 )

      ( 「 自分たちの求めようとしている数値が、95%の可能性で、

         279.3 から 407.5 の範囲にありますよ。」 という意味です。)

    

 

 音速は、 Wiki などによると、 331.5 + 0.61t ( t は、摂氏温度 ) とあります。

当日は、気温約 26度でしたので、この計算式から、音速は、341.17 m/秒 となります。

データには、かなりバラツキはありますが、おおまかな速度としては、かなり近い値が得られました。

良かったです。  ( 偶然かもしれませんが・・・。 でも、信頼区間をみても、オーダー的は十分です。)

 

 ( 明らかに、ストップウォッチを押すのが遅れたものと、 明らかに早いものを除いて計算すると、

   336.3 ± 42.3 ( 294.0 〜 378.5 : 95%信頼区間 ) m/秒 と なりました。 

     平均は多少ずれますが、信頼区間をみると、かなり所に入っていると思います。)

 

 

  土手などに行って、もっと距離を置いて、計測してみたいと思いました。

 このほうが、より少ない誤差で計測できると思います。

 また、テレビなどで見たことがありますが、 等間隔に人が何人も立っていて、

 音が聞こえたら、手を上げる、という実験をやってみたくなりました。

 ( 次々、手を上げていくのが、実際に見られたらおもしろいです。 )

 

 

 

 

 

来週、みんなに報告いたします。

 

 

 

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