2010 年 10月13日  なんで飛び出して見えるの?  − ステレオ視の仕組み -
 

 

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 ようやく 2学期のクラブ活動が始まりました。   今回のテーマは、「 立体映像について 」 です。

 

 最近は、電気屋さんに行くと、立体テレビが置いてあります。  立体眼鏡をかけて見ると、3Dで見える

テレビです。 映画館に行っても、最近は3Dの映画があります。(料金が割高ですが、・・・)

世の中の映像系は、3Dに向かって動いています。

そこで、児童のリクエストもあって、今回は、タイトルの通り3Dについての実験となりました。

 

 でも、予算の都合もあり、偏光フィルターや液晶シャッターのついた眼鏡は使用できません。

そこで、昔からの定番、赤青メガネを使った実験です。 (アナグリフ方式です。)

 

 当初は、各自で、クラブの時間の最初に、メガネの型紙からメガネを切り抜いて、赤青セロファンを

貼ってもらおうと考えていました。 しかし、クラブの実質の時間は25〜30分しかないため、メガネ作りで

10分以上も費やしてしまうと、実験の時間がほとんど取れません。このため、事前に、型紙から切り抜いて

準備をしておくことにしました。 赤青セロファンだけは、各自貼ってもらおうと思いました。

 

 クラブの児童数+数枚で、約20個分を用意しました。厚紙を事前に学校から頂いて、それに型紙から

トレースし、切り抜きましたが、厚紙を切るのは結構大変です。そこで、出来上がった赤青メガネを報酬に、

管理人の子供たちに、ちょっと手伝ってもらいました。(切り口が少し雑ですが、・・・・)

約20個も並べると、これから何か始まるぞ、という感じがしてきます。

これらメガネフレームと、あらかじめメガネに合うサイズに切った赤と青のセロファンを持って、

学校に向かいました。

 

 

 今回もプロジェクターやスクリーンをお借りしたりするため、事前に準備が必要です。

今回は、プロジェクターだけでなく、赤青セロファンを使った立体影絵をやるので(後述します)、なるべく

部屋を暗くしないといけません。 理科室のカーテンを閉めてと、あちこちから光が漏れてきます。

 

( 写真右 : 理科室後方の扉は、板と椅子で塞ぎました。)

ガムテープや黒いゴミ袋を使って、目張りしました。

 

昨年、針穴写真をやった時も、理科室の完全暗室化には、かなりの労力を使いましたが、

今回は印画紙を使うわけではなく、昨年ほどの遮光は必要無かったので、簡易的にしました。

また、黒板に向かって右奥のスペースが比較的暗かったので、そちらにスクリーンとプロジェクターを

準備しました。 ( 写真左 : 表題の下にあるのは、立体に見える地球と太陽の絵はがきです。)

   

プロジェクターの準備もしましたが、赤青の3D映像をテスト上映すると、赤青メガネのセロファンと、

プロジェクターの赤青の色の相性がいま一つでした。 (仕方ないので、このまま開始しました。)

 

 

 

 児童たちがやってきました。来た児童から順番に、赤青メガネを作ってもらいます。

  ( 左が赤、右が青です。)

 

 そして、いよいよ2学期の初めの科学クラブが始まります。

 

 

 はじめに、立体視の仕組みを紹介しました。 また、片目で見ると錯覚で立体に見える物なども紹介しました。

片目で箱の穴を覗き込むと、立体的に見えます。 (こちらは、厳密な意味での立体視ではないです。)

中を覗き込むと、・・・・・・

 このような風景が見えます。ビルが立体的に見えます。

片目で見るため、凹凸や遠近感が分かりにくくなり、頭の中で立体として認識してしまうのです。

このような物もとてもおもしろいのですが、今回の本題からははずれるので、紹介にとどめました。

 

 

 

 立体メガネには、代表的な物には、液晶式、偏光式、赤青式(アナグリフ)などがある紹介をした後、

赤青メガネで、左右に絵が振り分けられる仕組みを紹介しました。

  

 

このような図も用意したのですが、説明が分かりにくかったかもしません。 すいません。・・・・・ (^_^;) 

( バックが白と黒とでは、見える字が赤青逆になるという説明でした。・・・)

 

 

 

 

 そして、いよいよ、本日の3Dシアターの始まりです。

まず、森学習塾さんが公開して下さっている3D画像をみんなで見ました。

 

画像が流れるのですが、球がこちらの方向に向かってきます。

 

 

みんな、熱心に見入っています。 歓声も湧きあがっていました。

 

 

 このほかに、国立天文台の公開している、Mitaka という、スペースシュミレーターの3Dモードを見ましたが、

赤と青ではなく、赤とシアンのためかいま一つした。

 

 

 

  また、Youtubeにあった、こんなが画像も見ました。

よかったら赤青メガネで、見てみてください。最後にオチもありますよ。

 

 

( 「わぁ、ヤダこれ!」 などの声があがりました。)

 

 

 さらに、事前に撮影しておいた学校の風景から、AnaglyphMakerというソフトを使って作った3D画像を見ました。

このうちのいくつかを紹介します。 はじめはカラーです。 (写真をクリックすると、拡大画像が出ます。)  

  

赤青画像も紹介しました。

 (こちらも、写真をクリックすると拡大した別ウィンドウが開きます。)

( 赤や青の色は、どうしても分離が悪くなります。)

 

 

 そして、次に、立体影絵をやりました。

赤と青の2個の光源からできる影を、赤青メガネでみるというものです。

工房ヒゲキタさんのヒゲキタさんのブログを参考にさせていただきました。

クッキーの箱の中に、青と赤のセロファンンを巻いた豆電球が入っています。これを、光源にしてできた影を

赤青メガネでみるといった実験です。

青と赤の2重の影ができています。はたしてどのように見えたでしょうか?

 

 

シャボン玉実験で登場した針金細工です。 この影も立体に見えるでしょうか?

 

 

最後に、3D  Drawing Pad という、 書いた字が浮いて見えるもので遊びました。

これは、赤青の格子が印刷してある紙に字を書くと、その字が浮き出て見えるという物です。

そのままサインペンで書くと、次回から使用できなくなるので、 白い紙に字を書いた後、

字を切り抜いてもらい、それを格子の上に置いてもらいました。

うまく立体に見えたかな?

 

 

いろいろな実験をしたので、あっという間にクラブの時間は終わってしまいました。

みなさん、お疲れさまでした。

 

来週は、日光写真もどきです。  

 

 

 

 

 ( 良かった点 )

1. 事前にメガネのフレームを切り抜いておいたが、この準備により、実験がスムーズに行えた。

   ほぼ、時間内に終了できた。

2. プロジェクターは、PC準備室にある物を借用した。以前に比べて設置や撤収の時間の節約になった。

   以前は、教室にあるものを借用したが、教室にあるものは、すでに台にPCと一体でセットされており、

   そのままでは持ち込みのPCでの利用はできなかった。電源やPCへのビデオケーブルなどをはずしたり、

   終了後に元の状態に戻すのに、台の奥深いところの手を入れて操作しなければならず、時間がかかっていた。

 

 ( 反省点・改善点など )

1.プロジェクターと赤青セロファンの相性(色の一致)が合って、今回の場合は、最適な組み合わせでは

  なかったようだ。 事前に複数台のプロジェクターで、どのプロジェクターとの相性が良いか調べておくと

  良かった。

2.立体影絵は、青のセロファンが濃いため、暗くなってしまう。 電球の電源を赤青別にして、青の電圧を

  より高く設定し、赤青両方の照度(輝度)を合わせると良かった。

3.立体影絵のワイヤーフレームは、太さ1mmのワイヤーのもは、影が見にくかった。

  3mm程度は必要であった。もっと太いワイヤーでも良かったと思う。

4.赤青のセロファンと赤青の字の見え方は、バックが白か黒で逆になるという説明が分かりにくかったようだ。

  (昨年は、光と色の実験をやっていて、その中で赤緑の場合の実演をしている。 また、赤青緑、各々の色の光の中で

   色鉛筆がどんな色に見えるかの実験も行っている。 たとえば、赤い色鉛筆は、他の色の光の中では黒く見え、

   赤の光の時のみ赤く見えた。赤の色は赤の光のみを反射し、他の色の光は吸収していることを体感してもらった。)

  光と色の説明の後であれば、まだ理解しやすいようだが、「 赤い色は、赤のみを反射して・・・」などと、

  図を使った説明だけでは理解しにくいようであった。 アニメなどを使ってより分かりやい説明方法を

  考案する必要があると思われた。 また、立体影絵のために、赤青の光源は準備していたので、

  これを利用し、赤や青の光の中で、他の色はどのように見えるかの小実験を施行すれば、より理解が

  しやすかったのではないかと思われた。

 

 

  

 

 

 

 

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