2010 年 10月20日  日光写真(もどき)をとろう  − 日光写真をやってみよう -
 

   ホーム > 2010年度の実験 > 日光写真をとろう

 

 

  2学期2回目の科学クラブは、日光写真です。 

 管理人が子供の頃は、日光写真はポピュラーなものでした。学校では、たしか小学校3年でやりました。

また、学研の付録か小学館の付録か忘れましたが、家でもやった記憶があります。

管理人の子供たちに聞いてみると、やったことがないと言っていました。理科の教科書を見せてもらうと、

たしかに、全くありません。 無くなってしまったのですね。・・・・  ちょっと悲しいです。    ( ; _ ; )    

今年の科学クラブの初めての回で、やってみたい実験の希望をとりましたが、その中に、

日光写真がありました。 今回はその希望を取り入れ、日光写真となりました。 

事前に、いろいろと資料などを探しました。

 上記の表題の日光写真の後に、「もどき」と、書いてりますが、それは本当の日光写真ではないからです。

本当の日光写真は、クエン酸鉄(III)アンモニウム と、 ヘキサシアノ鉄酸(III)カリウムで作った溶液を

暗室で紙に塗って乾かし、それを使うそうです。(詳細は、こちら。Wikiのページです。)

しかし、薬品を用意するだけでも、それなりの値段となってしまいそうです。 また、暗室で紙に薬品を

塗って、さらに乾燥させるため、広い暗室を用意する必要がありそうです。 これは、「ちょっと・・・」と、

思っていましたが、Narikaサイボックスさんに、ブルネオジアゾ感光紙という物を見つけました。、

今回は、これを利用させていただきました。 これは、熱処理をすれば、画像が定着します。

アイロンやラミネーターで、熱を加えれば良いそうです。

 また、でんじろう先生の書籍 「 おもしろ科学ミュージアム 」 の中で、普通の写真用の印画紙でも、

直接太陽の光で露光すると、日光写真のように使用できる実験がありました。

管理人の家のガラクタの中には、期限切れの印画紙があります。印画紙といっても写真用紙のような

厚紙ではなく、薄い紙です。 ちょっと試してみたところ、すこし薄いですが、使用できそうなので、

こちらも用意しました。

(こちらは普通の印画紙のように現像液や定着液を使用せず、定着液だけにつけて、それ以上感光しないようにする処理をします。

 定着液は、金魚のハイポを溶かしただけです。 また、今回使用した印画紙は、富士フィルムのプロジェクションペーパーです。

 現在は、生産中止です。 普通の印画紙でもできますが、コストがかかります。予算が許せば、良いかもしれません。)

 

  

  まずは、予備実験です。 ジアゾ感光紙に、葉っぱや、字を書いたトレーシングペーパーを置いて、露光させます。

 感光紙の感光面は、露光前は薄い黄色をしています。

 お天気が悪いことも想定し、電球でも露光してみましたが、赤い色には感度が低いとの情報があったので、

安定器のいらない水銀灯で、露光してみました。

 

分かりにくいですが、影になったところは、薄い黄色が残り、露光した面は白色となります。

そして、これを熱処理します。アイロンやラミネーターで、熱処理をするのですが、ラミネーターが安定していて

使いやすいとのネットの情報があり、ラミネーターで熱処理しました。

 ちょっと色が薄いです。熱処理の温度が低いようです。

当日、お天気が悪くても、なんとか水銀灯でも行けそうです。ほっとしました。  (^。^;)

( もし、お天気が悪くて施行できないと、代替実験も用意しなくてはいけません。 その時間がなかったので・・・・。)

 また、蛍光灯でも試しましたが、蛍光灯直下で露光させれば、なんとかいけることが分かりました。

さらに、曇天下でも露光しましたが、2分程度でいけました。 本当の日光写真より、かなり感度が

高いようです。

 

 それから、みんなに、日光写真をやり易いようにしてもらうため、アクリル板と厚紙、黒い色画用紙で、

写真のようなものを、児童の数+α用意しました。

 アクリル板と黒い色画用紙の間に、感光紙を挟み込んで使用します。

準備完了です。  あとは、当日の天気が良いことを祈るばかりです。

 

 

 いよいよ実験当日です。 当日の天気が心配でしたが、あいにく、雨がぱらつくような曇り空です。

 いまにも、泣き出しそうな空でした。そして、雨もぱらついていました。・・・   (T_ T )

晴れるか心配でしれるかたが、最悪、室内で水銀灯や蛍光灯を使えば大丈夫なので、その点は安心です。

早めに学校へ行って、準備をしてから、外の雨まじりの曇り空で、露光可能か、テストをしてみました。

 水銀灯などを用意しました。 奥には水槽に使っている蛍光灯を用意しました。

 ラミネーターの機械も準備しました。

 

早速、テストをしてみると・・・・・

   

  外の光でも大丈夫でした。  管理人の指の跡もしっかり写っています。

  

また、期限切れの印画紙もテストしました。 

 

色は、かなり薄いですが、葉っぱの陰影が確認できます。 (太陽の光でないと、こちらはちょっと厳しいかも・・・)

 

 

 テストをしていると、クラブの時間になり、児童たちが集まってきました。 本日のクラブ開始です。

はじめに、日光写真のあらましをお話して、その後、やり方をお話ししました。

原理までは話をする時間がないようなので、割愛しました。

 

   みんなは、葉っぱを選んでいます。

 

  感光紙をセットしています。

そして、外の光や用意した水銀灯などの電球で、露光します。

 

 最後に、  ラミネーターで、熱処理しています。

 

 

 ここで、トラブルが発生しました !!!

ラミネーターの機械に紙が詰まったのです。!    Y ( ゚ _ ゚ ) Y

ピンセットをお借りして取り出そうとしましたが、取り出せません。

そこで、アイロンの出番です。管理人は、ミニアイロンを用意していました。

しかし、ラミネーターをどかす際にコードが引っ掛かり、机から落ち、取っ手が壊れました。

 

このため、使用不能となりました。

結局、担当の先生に家庭科室からアイロンを持ってきて頂き、事無きを得ました。

 (どうもありがとうございました。)

アイロンは、温度を中以上にしたほうが、良かったです。 (温度が上がり、色がはっきり出ました。)

 

 

 いくつか、みなさんの作品を紹介します。

  温度が低かったです。すいませんでした。

    字は、トレーシングペーパーに記入し、それを感光紙に乗せています。

  女の子らしく、可愛く仕上げました。

 

 

 時間のある子供たちには、印画紙を配布し、そちらもやってもらいました。

印画紙の方は、太陽光でないと、薄い陰影しか描出できませんでした。

ある程度の濃淡で陰影が出るのですが、定着液に漬けると、薄くなってしまいました。

しかし、ちょっとは楽しんでもらえたようです。   お天気が悪かったので、仕方ないということにして下さい。・・・・   m( _ _ )m

 

 

 

 次回は、ミニクリスマスツリーを作ろう  −電子工作、はんだづけに挑戦 −  です。

種明かしをすると、トランジスタ 2石の非安定マルチバイブレーターで、LEDを点滅させようと目論んでいます。

( 専門用語ですいません。 電子ブロックなどにも出てくる、電子工作の入門回路と思ってください。 )

当初は、赤いLED2個を交互に点滅させて、踏切でも作ろうと考えていました。しかし、これでは、

きっと児童たちは喜んでくれないでしょう。・・・   音も出れば受けるかもしれませんが、・・・。

どうせ点滅させるなら、予算の許す範囲でLEDを増やし、クリスマスツリーに仕立ててれば、

みなさんに喜んでもらえるかと思い、当初の予定を変更します。 このため、ちょっと準備が必要です。

大体の構想はできているのですが、 2時限分しかないので、(正味 30分×2=60分しかないので )

配線程度の時間しか取れないと思います。このため、かなりの仕込みをしなければいけないようです。 

次回の科学クラブまで、3週ほどあるので、早速準備に取り掛かります。

 

 

 

 

 ( 反省点・改善点など ) 

1.事前のネットの情報で、感光紙の熱定着は、ラミネートの機械が安定していて良いとのことであったが、

  今回の実験では、詰まってしまった。機械によっては詰まり易いものが、あるのかもしれない。

  アイロンも温度を高めにすれば、それなりに安定して定着できていたので、アイロンでも良いと思われた。

  ラミネートの機械を使用する際、故障の可能性があるため、複数台用意するか、アイロンも用意しておく

  必要があると思われた。

2.ジアゾ感光紙は、直射日光でなくても感光するため、今回は、曇天〜雨天でも実験を施行したが、

  日光写真と言うからには、やはり晴れた日に施行した方が、良かったと思われた。

3.印画紙は、陰影が薄かった。現像能力の弱い現像液を使って陰影を強調させると良かった。 

  ( そのまま現像液を使うと、真っ黒になってしまう。)

  まだ、大量に印画紙があるので、今後、同様の実験をする際は、薄めた現像液で現像し、コントラストがちょうど良く

  なるように、事前に予備実験をして、露光時間や現像液濃度、現像時間を調べてみたい。

4.A4のトレーシングペーパー1枚を切り分け用意したが、不足してしまった。このため、児童に教室に取りに

  行ってもらった。予備の分も用意する必要があると思われた。

5.今回のクラブ時間内では、原理の説明は出来なかった。概略だけでも説明すれば、良かったと思う。

  各テーブルに原理の概略の印刷物を配り、余裕のある人に見てもらっても良かったようだ。

6.実験方法の説明不足のためか、1名の児童は、ジアゾ感光紙を定着液に漬けていた。

  説明の仕方にもっと工夫が必要であったか。実験方法の書かれた掲示を設けていたが、

  それを見る児童は誰もいなかった。机の数だけ印刷し、あわせて各テーブルに印刷物を配布して

  おいたほうが良かったかもしれない。

7.ジアゾ感光紙の熱処理の際に、当日の事前の実験の際は、ちょうどいい温度に設定したつもりだったが、

  使用しているうちに、温度が下がってしまったようだ。あらかじめ、温度を少し高めにしておくと良いと思われた。

  

  

 

 

 

 

もどる

 

   ホーム > 2010年度の実験 > 日光写真をとろう

 

                           千葉県  柏市立富勢西小学校  科学クラブ 日記

 

 

inserted by FC2 system