2011年
2月16日 空気の実験
‐‐‐ 空気は力持ち? ホバークラフトに乗ってみましょう! ‐‐‐ |
ホーム > 2010年度の実験 > 2011年2月16日 空気の実験
みんなで、ホバークラフトに 乗りました。
今回で今年度最後のクラブです。 今回は、空気の実験です。 空気の実験は、管理人としては、 昨年度のうちにやってみたいと思っていました。 しかし、昨年度は希望がなかったので、やりませんでした。 このため、1年以上の間、管理人は、こんなこともやりたい、あんなこともやってみたい、などといろいろな 実験を考えていました。 今年度に、ようやく空気の実験をやることとなりました。 こんなスケッチを描いて、どんな実験をするか構想を練りました。
(管理人は、絵は下手です。(^_^;) ) 科学実験好きな方でしたら、絵を見ただけで、何の実験かお分かりになるかと思います。 この中から、 幾つか実験をやろうともいます。 今回のクラブが、今年度最後のクラブなので、気合いを入れていきます。
今回もクラブの前に、準備をしました。 大きなものとしては、ホバークラフトの製作です。 また、逆さコップ(コップに水を入れ、板などで蓋をして逆さまにする)の実験をやるために、 逆さコップの板選びや、重りを吊るすための実験道具を作りました。 また、ふれあい水槽などと 呼ばれているような、下の口があいた水槽をペットボトルを使って作りました。 それから、サイホン コップ( ある所まで水を入れるとこぼれだしてしまうコップ)を、みんなに作ってもらおうと思っていましたが、 時間内に接着材が乾きそうにないのと、製作時間が足りないので、みんなの分をあらかじめ作製しました。 空気の流れを体感してもらう小実験も予定したので、以下に出てきますが、ストローや厚紙、紙などを あらかじめ用意しました。
・ 直接当日の様子を、すぐにご覧になりたい方は、こちら です。 (当日の様子にジャンプします。)
事前の準備です。
<ホバークラフトの製作です。> まずは、ホバークラフトの製作です。 製作の詳しい様子は、こちらの実験機器・材料のページで 紹介する予定です。 今回は、いつもお世話になっている、東京書籍の「おもしろ実験・ものづくり事典」という本に出ている ホバークラフトの製作記事を参考に作製しました。この本のホバークラフトは、板の上に三角柱の空気室を 置いて、三角柱の上に掃除機のモーターを取り付けます。そして、下の板には、三角柱の三つの角に あたる部位(三角柱の内側)に穴を開け、その穴を中心にタイヤのチューブを取り付けます。 今回、管理人は、三角柱の側面を作るため、板に角度を付けて切りだす自信がなかったのと、 クラブまで時間も無かったので、不格好ではありますが、空気室は、そのまま箱型の本体として、 (ただの箱として)作製してみました。 材料が多くなるので、重量がかさみ、うまくいくか自信が ありませんでした。
さっそく製作です。 ( 詳しい様子は、こちらです。(機材・材料のホバークラフトのページに移動します。) ) まず、安いサブロク板(三尺×六尺、約90cm×約180cmの板です。)を二つに切って、90×90cmの板を 2枚にします。(ホームセンターのカットサービスが便利です。自分出来ると、まっすぐに切るの難しいです。) そして、幅15cm、長さ4m、厚さ約20mmの定尺の杉の単板(トータルで考えると、長い方が安いので、長いの を購入しました。そのままでは車に積めないので、90cmホームセンターでカットしてから持ち帰りました。 その方が安いです。側面の板の厚さ分だけ、2辺は、短くなっています。 90cm×2、86cm×2となります。 ) そして、箱を作ります。 このような平たい箱です。 空気室、兼、本体としました。 (夜の作業なので、良く写っていません。すいません。)
箱の上の面の中ほどに、穴を開けます。 (自由錐という道具で開けました。)
ここに、掃除機のモーターを取りつけます。
今度は裏返して、底面に下の写真のように穴を開けました。(5個×3カ所) そして、一輪車のタイヤのチューブを両面テープで付けました。 (上記とは、違う日に作っています。)
今度は、上面の穴に、掃除機のモーターを取りつけます。
家にあった、あり合わせの金具で付けたので、不格好です。 コードリール内にヒューズを 内蔵している事や、コードの巻き取りのため、掃除機のコードリールも付けました。 (あまり、見慣れないものと思います。掃除機の中では、このリールが、ぜんまいバネで、くるくる回って クルクルと巻き取られています。) これの上部に椅子をのせました。
早速、人を乗せて実験してみると、・・・
うまくいきました。
その後、足をのせる所だけ、緑のペンキで塗装しました。
冬の夜の外での作業なので、床面に残っていた水は、凍っていました。
耳が痛いです。 取っ手をつけて、とりあえず完成です。
< 逆さコップの実験に使う板の材料の選定、製作です。> 詳しくは、こちらです。(機器・材料のページの逆さコップの板のページです。) 逆さコップの実験もやってみたいと思いました。 コップに水を入れて、板で蓋をして逆さにしても こぼれないという実験です。管理人は、小さいころ、ハガキで実験をしたことがありますが、板だけでなく、 さらに板に重りを付けて吊るしたいと思いました。 板にひもを付けて吊るすだけだから、簡単だと思って いました。
うまくいったのは、ホワイトボード用板、ゴム板、軟質塩ビケース、あとは、(この写真には入っていませんが、) プラ板です。( これらの詳細は、こちらのページでご覧ください。 ) いろいろありましたが、結局、NHKの「大科学実験」のコップは力持ちに習って、ゴム板を利用しました。 ゴムのシートにネジを付け、ボルトで固定し、糸を付けました。そのままでは、空気が漏れたので、 接着剤で固定しました。
これを、テーブルの数だけ用意しました。 また、100均で、蓋つきのお椀を用意しました。 中に水を入れて蓋をし、逆さにすると 水はこぼれません。 こちらもテーブルの数だけ用意しました。
< サイホンコップ > ( 名前が、適切かわかりません。・・・ サイホンは、最近は、厳密には空気の実験と言うより、位置エネルギーの差を 利用した実験ということになっていますが、空気も関連するので、今回は取り上げました。) 少量水を入れただけではこぼれませんが、一杯水を入れるとこぼれてしまう(下から水が出る)という サイホンの原理を利用したコップです。 利用したストローは、太さが7.2mmでした。7.2mmの ドリルの刃は手元には無かったので、7mmの穴を開け、そこに無理やり通しました。そして、 プラスチック用接着剤で固定しました。 写真のように、ストローの曲がる部分を利用しました。
ストローの逆U字の外側の口は、コップの内部(底)ですこし浮いています。 内側の方は、底の穴を 通っていて、コップの外部(底)に口が開いています。 人数分だけ用意しました。
<その他> ペットボトルの下部が開いている容器を、(ふれあい水槽)を用意し、中にメダカを入れました。
下の字は、「切れ込みが入っていて、開いている。開くようにつっかえ棒が入っている。」となっています。
その他、吸盤や、ゴムのシートにナベブタの取っ手をつけた吸盤等も用意しました。
黒と黒なので見にくいですが、ゴムシートの中心に、鍋蓋の取っ手がついています。
その他、いろいろです。・・・ 空のペットボトルは、職場で調達しました。・・・
今回は、掃除機やブロアー、ホバークラフトなど、大きな機材が多く、搬入がちょっと大変でした。 廊下でホバークラフトにのってもらうため、リールコードを学校からお借りしました。各テーブルに、 実験材料をあらかじめ用意しました。 集まってきた人たちから、空気の流れの性質を見てもらうための実験に仕様する紙を、 あらかじめ切り抜いてもらい、ストローをテープで貼ってもらいました。
クラブの開始です。 本日は、インフルエンザのため、唯一の男子児童がお休みです。 はじめは、サイホンの実験をやりました。 ( 前述の通り、サイホンは、最近は、厳密には空気の実験と言うより、位置エネルギーの差を利用した実験と いうことになっていますが、空気も関連するので、今回は取り上げました。)
灯油のポンプを使って、実演です。一度、下に水が流れ出すと、ポンプを押さなくても流れます。
今度は、100均の金魚のエアポンプ用チューブを使い、各テーブルでみんなにやってもらいました。
やはり、一度流れ出すと、自然に流れ続けます。 今度は、チューブを高くしてみます。 それでも、流れます。
みんなもやってみました。
どのぐらいの高さまで、チューブを持ち上げても、水は流れるでしょうか? という クイズを出しました。 (このチューブは、2mぐらいしかありませんので、実際には確かめられませんが、・・・・)
次は、逆さコップの実験です。 まずは、プラ板です。 ちゃんと密着させないと、こぼれてしまいます。 (持ちやすいように、ワイングラスやシャンパングラスを利用しています。) 意外だったのは、みんな知っていても、実際にやったことのある児童が少ないことでした。・・・ (^_^;)
逆さ蓋つきお椀実験もしました。
揺らしたり、蓋を触ったりすると、カタカタ音がするので、なんだか不思議です。
そして、逆さコップに重りを吊るす実験です。 ますは、500mlの水入りペットボトルを1本吊るします。
うまくいきました。
そして、2本目です。 ( 後ろで半分写っていらっしゃるのは、見学にいらっしゃった校長先生です。) 2本目も うまくいきました。
そして、3本、4本と増やしていきました。 みんな、ドキドキ、ハラハラしています。
成功しました! 原理的には、・・・ グラスの開口(直径が約 6cm)の面積は、(半径)×(半径)×3.14なので、 3×3×3.14=28.26㎠ あります。 大気圧は、1㎠あたり約1kgなので、約28.26kgまで、 耐えられることになります。 しかし、実際には、中の水の重量やゴムの重量などもあり、また、 ゴムの強度もありますので、そんなには耐えられないと思います。 みんなには、原理的には、 この程度耐えられるということも簡単に紹介しました。 重りをはずした後、ゴムの端をちょっと触ると、・・・
水が、じゃーっとこぼれます。 みんな盛り上がっていました。 やっぱり、ゴムは接着されていません。 その後、各テーブルで、各々やってもらいました。
空気の押す力を見てもらうために、気圧計も用意しました。 チャックつきのビニール袋に気圧計を入れます。 そして、ビニールを押すと、中の気圧計の 針が動きます。 ぐいぐい押すと、針がぐいぐい動くので、空気で押されているという感じは 少しは分かってもらえたでしょうか?
また、「晴雨予報グラス」(Amazonのページへリンク)と言う、気圧計もチャック付きビニール袋に入れてみました。 中の空気の圧力(水で封印されている)と外部の空気の圧力の差で、水位が変化するという原理ですが こちらも、ビニールを押して加圧すると、中の水がぴくぴく動きます。
空気が(大気が)水を押している、 下に口が開いた水槽(容器)も準備しました。(写真左下) 写真では見えにくいですが、中に、メダカが2匹入っています。
右は、同様の物として見てもらいましたが、説明が下手なので、どこまでわかってもらえたか不明です。・・・ (^_^;)
次も空気が押しているという事を見てもらうため、真空容器を用意しました。 風船が無かったので、ウィだーインゼリーの容器で代用しています。 (あらかじめ、真空引きしてあるのですが、)真空容器の中で、パンパンにふくれています。 これを、弁を開けて空気を入れると、・・・
ペチャンコに、つぶれてしまいました。 もう一度、真空引きすると、・・・ を行いました。
そして、お決まりの空き缶つぶしも行いました。 (管理人の家では、前日に、家族みんなでジュースを飲みました。・・・) コンロで、少量の水の入った空き缶を熱し、沸騰したら逆さにして水につけます。
結構大きな音がするので、みんなびっくりです。 でも、空気に上から押されている(大気圧)感じは、 実際に実感できないですよね。
空気の重さを体感してもらうため、大きな袋に空気を詰めて、後方からぶつかってもらいました。
予定では、ソーラーバルーンの残りのマルチシートから、大きな円柱状の袋を作り、それを使って 実験する予定でしたが、準備に時間がなかっため、普通の大きな袋を使用しました。 効果は、 いま一つでした。・・・
今度は、空気の流れの性質について見てもらうため、大月書店の「科学あそび大図鑑」から、 いくつか空気の実験をやりました。 空気の流れによって、紙が吸い寄せられる実験です。
(吹くと空気の流れによって、紙が流れの方に吸い寄せられます。気圧差が生じるためという事については、あまり触れませんでした。)
ストローに固定した小さな紙片の上から息を吹くと、下の一回り大きな紙片が、上の紙片に吸いつく という実験です。 うまくいくと、高くまで持ちあげられます。
みんな真剣にやっています。
”コ”の字の紙を写真のように伏せて、ストローで紙の下を吹くと、紙が空気の流れの方によるため へこみます。
このような実験の後で、掃除機やブロアーから出る空気の流れに、いくつかの物を浮かしてみました。 まずは、発泡スチロールの球です。
傾けても、ボールは浮いたままです。
予備実験の際は、ペットボトルはうまくいったのですが、実際の実験では、うまくいきませんでした。 でんじろう先生のように、電球も浮かしてみました。
( 予備実験では、ソケットコードを付けて、点灯してやってみましたが、本番では時間がなく、できませんでした。)
そして、本年度最後の実験です。 空気の力を実感してもらうため、みんなでホバークラフトに乗ってもらいました。
みんなで、交代で乗りました。
これで、今回の実験、今年度の実験は終わりです。
みなさん、 1年間 お疲れさまでした。
クラブの多くの児童は6年生です。 みんな、中学に行っても、元気で頑張ってくださいね。 5年生のみなさんは、また、来年度、お会いしましょう。
最後に、みなさんから、お礼のメッセージを頂きました。 ありがとうございました。 管理人としては、感謝感激です。 ( せっかくなので、 後日、他のページに アップします。)
後片付けをしている時に気がついたのですが、サイホンコップをみんなに配るのを忘れていました。 (時間に追われていたため、忘れていました。) このため、担当の先生に、後日、みんなに渡してもらう ことにしました。みなさん、お家でやってみて下さい。
<気付いた点、反省点など> 1. 3学期の短期間に、4つの実験は、準備が少し大変であった。一部、予定の準備が間に合わない物もあった。 冬休みの間に、もっと計画的に準備をしておくべきだった。 2. 空気の実験ということで、系統立ててやったつもりであるが、実験の内容が多すぎたようだ。 最後の回ということで、 いろいろ見てもらいたいという事もあり、あれもこれもやっってしまったという感じだった。もう少し実験を厳選したり、 実験の前に、みんなに結果を予想してもらったりしながら進めた方が、良かったようにも思えた。時間もオーバーしてしまった。 3. 空気の重さを実験してもらうための袋(体にぶつけて、勢いで重さを実感してもらう)は、大きめの袋では、重さに対して、 空気抵抗が大きくうまくいかなかった。当初予定した、大きな円柱状のバルーンが必要であると思われた。 4. 費用がかからず、また、事前の準備もそれほど必要無いため、缶つぶしなどは、各テーブル単位でやってもらっても 良かったと思われた。 5. 勢いで、ホバークラフトを作ってしまったが、保管場所が無く困った。 もう少し手間をかけても、小さい方が良かったようだ。
ホーム > 2010年度の実験 > 2011年2月16日 空気の実験
千葉県 柏市立富勢西小学校 科学クラブ 日記
|