2011年7月6日 針穴写真機で撮ってみよう (2) |
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- 先週作製したネガから、ポジを作りました。今回は、暗室作業が中心です。 -
みんなで撮った集合写真です。 レトロな感じで、なんだか昭和の時代のようです。(^_^;)
先週は、針穴写真機を使って撮影し、暗室(理科室)で現像、ネガ(白黒反転した写真)を作製しました。 今週は、ネガからポジ(白黒反転していない写真)を作成します。
・ 直接当日の様子を、すぐにご覧になりたい方は、こちら です。 (当日の様子にジャンプします。)
事前の準備です。 今週は、先週に引き続き暗室作業(現像)を行うため、現像液、停止液、定着液の用意が必要ですが、 先週の残りを使用しました。 (今回も処理の効率化を考え、2組用意しました。) また、印画紙は、先週 フィルムとして使用した物と同じ、Fuji film プロジェクションペーパーを6X6cmに切った物を使用しました。 その他のバッド、ピンセット、暗室灯なども、同様です。 (先週のページです。) 理科室を暗室化する材料も 一緒です。 ( 暗室作業、薬品、用品などの詳細は、こちら。)
普通の写真のプリントは、ネガから引き伸ばし機を使って、大きなサイズのプリントを作ります。(プリントを 焼く、と表現しています。) しかし、管理人は引き伸ばし機を持っていません。そこで、みんなの作ったネガを スキャナーで取り込み、PCにプロジェクターを繋いで映し、映った所に印画紙を置いて露光し、引き伸ばしを しようと思いました。(過去に、スライドプロジェクターを引き伸ばし機の代わりに使っていたことがあります。 その際はうまくいきましたので、多分うまくいくと思います。)しかし、事前に露光時間を決めるテストをする 時間がありませんでした。結局、ベタ焼きとなりました。ベタ焼きは、ネガのフィルム(今回は印画紙)を直接 印画紙に置いて露光し、現像するという物です。 (ベタ焼きとは、・・・こちら Wikiのページです。) 直接印画紙に置くので、画像は拡大されません。しかし、今回、フィルムは印画紙を使用しており、大きさも 6cmX6cmあるので、ベタ焼きでもそこそこの大きさの写真が得られます。また、ネガは印画紙を使用して いたので左右反転していますが、ベタ焼きをすると、左右の反転が戻ります。 そこで、今回はベタ焼きの 準備をしました。
ベタ焼きは、ネガと印画紙を密着させるので、浮きあがらないように、圧着できる物を用意しました。 昨年度、とぎわぎ祭で「とみにし白黒写真館」という、日光写真と針穴写真を体験してもらうコーナーを 施行しました。そこで用意した日光写真用の道具です。
100均のアクリル板と、黒い色画用紙を貼った厚紙の上だけをテープで止めた物です。 アクリル板が パタパタ開閉します。アクリル板の下、黒い色画用紙の上に、ネガと印画紙を重ねておき、上から光を 当てて露光します。
光源は、管理人の家にあるスタンドを利用しました。 そのままですと、かなり明るいので、トレーシング ペーパーを2〜3枚使って減光しています。そのスタンドによる適正な露光時間は、印画紙面から電球まで 約30cmの距離で、
また、針穴写真機の原理を知ってもらうため、以前管理人が作製した、「針穴写真機原理説明機」を、 持参しました。
(慌ただしく準備したり、現像中は撮影できなかったりしたので、今回も写真はあまり撮れませんでした。 一部、過去の写真を利用したイメージ映像もあります。すいません。) 前回に引き続き、理科室の暗室化が必要です。このため、今回もクラブ開始1時間前に、学校に行きました。 しかし、理科室は、今回も理科の授業で使用中でした。 (今回も授業優先なので、仕方ないです。 (T_T) 前回、完全な暗室化をなくても、なんとかなったので、今回は、比較的精神的な余裕を持って、クラブの時間 まで1時間ほど廊下で待機しました。(ただ、ぼーっとしていたのではなく、頭の中で段取りは考えていました。)
先週同様、5時間目の授業が終わると、早速、理科室の暗室化の準備です。 やはり、完全な暗室化は 時間が無いためできませんでした。 今回は、現像処理の所に、ベタ焼きを行うための道具やスタンドも 準備しました。 右側にあるのが、光源のスタンドと、ベタ焼き用のアクリル板です。
今回も準備途中で、クラブの時間が始まってしまいました。 今回は、はじめに針穴写真の原理を みてもらいました。 管理人の持参した原理説明機を使って説明しました。 針穴写真は、光の直進性を利用しています。 みんな真剣に覗きこんでいます。 みんな分かってくれたかな?
その後は、2グループに分かれて、ベタ焼きを行いました。 アクリル版の下に、ネガと印画紙を重ね合わせて入れます。そして、露光します。 (このとき、ネガの写真面を印画紙の乳剤面に密着するように重ねます。露光時間は、おおよそ3〜5秒でした。 ネガの時点で、露光不足気味ですと、ネガは白っぽく薄くなります。ネガが薄いと、プリント(ベタ焼き)する際は、 わずかな露光時間で良いです。逆に露出オーバー気味ですと、ネガは黒っぽく濃くなりますので、プリントの際に、 その分露光時間を余分にかけなくてはいけません。) そして、現像、停止、定着、水洗と処理をします。 そして、新聞紙の上で乾燥です。 できあがった写真です。校長先生の車が写っています。 暗室作業中は、印画紙がかぶってしまうことや、管理人達は作業に追われて撮影する余裕がないので、 作業中の画像はありません。すいません。 m( . _ . )m
みんなの撮影した写真のギャラリーです。 ( 実際の写真ではなく、ネガからPC上で、ネガポジ反転しています。 多少、コントラストや明るさも調整しています。) ( 白黒だから、心霊写真だ! なんて 言わないでくださいね。・・・・・ (^_^;) みんなの集合写真です。 もう一枚撮っています。
みんなの作品です。 (すべての人の分はアップできませんでした。すいません。) 誰かが写っています。 通路を撮影したようです。 こちらも、お友達が写っています。 校長先生の車を撮影してくれました。うまく撮れています。 3人の友達が写っています。 中心の木は、ビワの木です。うまく撮れています。
みんなの写真、全部が紹介できなくてすいません。
みんな終わり、今学期のクラブは終わりです。 また、来学期に、元気にお会いしましょう。 来学期の計画は、まだ立てていません。 事前に準備や予備実験が必要な実験がいくつかあります。 早速、来学期の構想を練る管理人でした。
おまけ 科学クラブの部長さんやお友達は、写真にとても興味をもってくれました。クラブの終わった後も、 印画紙を使って、日光写真(もどき)をやっていました。 印画紙は、太陽のような強烈な光をあてると、 現像をしなくても、光が当たった所が反応し、色が出ます。 それを利用して、日光写真(もどき)を やりました。 葉などを印画紙の上に乗せ、日光を当てます。
そのまま置くと、せっかく浮き出た葉の影の部分もいずれは露光してしまい、画像が残りません。 そのため、定着液に漬けます。 (ここで現像液に漬けると、露出オーバーで真っ黒にないます。) 水洗して乾燥すれば出来上がりです。 アクリル板に挟んでやりました。 定着液に漬けています。 ( 先述の通り、若干、色落ちしてしまいますが、これをやらないと、いずれ画像が消えてしまいます。)
残った印画紙を全部やりました。
残って実験をしてくれた児童たちは、この後、器楽部があるそうです。 遅刻して、器学部の先生に怒られなかったか心配です。・・・・・・・・・ (^_^;)
<感想・反省点など> 1. 今回も理科室の完全暗室化のため、クラブ開始1時間前に学校に行ったが、クラブ前の5時限目は、理科の授業で使用 されており、準備ができなかった。 しかし、前回のクラブで完全暗室化をしなくとも、暗室作業が可能であることが分かって いたので、比較的落ち着いて準備ができた。 (しかし、やはり開始までに準備は完全に終わらなかった。) 2. 事前にネガを借りて、適正露光時間を確認できると、プリント作業が効率的であったと思われた。 3. 事前にネガを借りてスキャナーで取り込み、左右反転してプロジェクターで投影し、画像を引き伸ばす。その画像を印画紙に 露光し、プリントを行って、拡大プリントもやってみたい。 4. 若干、時間の余裕があったので、みんなに日光写真(もどき)をやってもらっても良かったと思われた。 5. 針穴写真機の原理説明を行ったが、こちらで説明するだけでなく、説明用の機材を、児童達にもっと触ってもらったほうが、 より理解が深まったと思われた。 6. 写真の現像、停止、定着などの原理の話は、時間が無いためできなかった。簡単でも良いから説明をするべきだったと思う。 7. 知り合いの方より、医療用(X線フィルム)のコピー用フィルムを頂いた。これは、ポジとなっており、反転作業が必要ないようだ。 感度がかなり低く、針穴写真機では、かなりの露光時間を要した。また、コントラストがかなり高く、印画紙用の現像液では、 中間調が描出されにくく、2値化した写真のようになってしまった。(医療用の自動現像機の処理は、35〜40度のかなり 高い温度で処理されているそうだ。) 現在はまだ研究段階で、今後、針穴よりはF値の明るいレンズ式のカメラを製作したり、 現像の際の処理プロセスを研究する必要があるが、今後、こちらの実験もやってみたい。
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千葉県 柏市立富勢西小学校 科学クラブ 日記 |