2012年1月18日  みえない光  
 

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                                - 光の実験です。 赤外線、紫外線の実験以外にも、可視光の実験もします。  -  

    赤外線で見た、千円札です。

   

  2012年はじめの実験です。 昨年の最後のクラブで、プラネタリウムの製作が終われば、みえない光の

 実験を行うつもりでした。 しかし、プラネタリウムの製作は終わりませんでした。このため、「みえない光」の

 実験が今年最初の実験となります。

           ( みんなの貴重な時間を、プラネタリウム作りばかりに費やしてしまいすいませんでした。 m(_ _)m     )

  

 

   事前の準備です。

  今回の製作物は、光の実験なので、簡易分光器を製作することにしていました。 簡易分光器は、グレー

 ジング(回折格子)を使う分光器は、いくつかネットでも紹介されています。 管理人の当ページでも、こちら

 紹介してあります。 こちらの物は、仮説社のページから型紙がダウンロードできますが、組み立てが必要

 です。 今回のクラブでは組み立ての時間がほとんどとれないことが予想されるので、短時間で組み立て

 可能な、紙コップを使った分光器としました。紙コップを使うと、箱の部分の組み立ては手間がかからず、

 スリットと回折格子を貼るだけで完成してしまいます。このアイデアは、お台場にあるPanasonicのリスーピア

 いう体験型ミュージアムのイベント参加の際に、作った物から頂きました。 今回は、より見易いように、紙

 コップの中に黒い工作用紙を筒状に入れ、コントラストが良くなるようにしてあります。この材料の準備を

 しました。なお、グレージングシートは、Narikaで購入しました。 (こちら

   

  紙コップを2個使い、口どうしをあわせ、筒を作ります。(コップの底は、両端にきます。) 紙コップの底に、

 一方にスリット、もう一方には、回折格子を貼ります。スリットは、直接紙コップに細いスリットを切るのは

 難しいため、黒い色画用紙にスリットを入れたものを貼りました。回折格子は、向きに注意して、やはり、

 黒い色画用紙に貼りつけておき、当日、児童達にはってもらうこととしました。

 

 

   実験当日です。

 

   

   

  赤外線を観察するため、白黒のCCDカメラやモニター、分光器で虹のパターンの違いを見るために、

 各種の光源を用意しました。 3原色の光源も用意しました。

  

 

  時間が無いので、来た人から、簡易分光器を作ってもらいました。

   

  そして、みんなで分光器をつかって、いろいろな光を見てみます。

   天井の蛍光灯を見ています。

   

  用意した、白熱灯、電球型蛍光灯、LED電球をみんなに見てもらいました。

  それぞれ、見える虹の違い(連続しているかどうか)を見てもらいました。

  

  

   そして、保温用の赤外線の電球です。赤外線がたくさん出ていますが、分光器ではほとんど見えません。

  

  

  次は、光と色についてみてみました。

  

  

  鉛筆を立てて、赤と緑の色を当ててみました。 すると、影に色が付きます。 

   原理を考えると当たり前ですが、なんだかちょっと不思議ですね。

 

  の光を当てると、当てた光と全く違う色の影が出来ます。 こちらも不思議です。

   

  の影には、の光が当たり、シアンになります。

  の影には、の光が当たり、マゼンタになります。

  の影には、の影が当たり、黄色になります。 

  原理を考えると、なるほどと思うのですが、なんだか不思議ですね。

 

     

   ここで、色や光の3原色、網膜で光(色)の感じる仕組みを紹介しました。

 

 

  次は、単色光の中での色の見え方です。  色のクイズです。

  これは、何色の色鉛筆でしょうか?

   

  1本では、何なので、3本にします。

  それぞれ、何色でしょうか?  赤い光が当たっています。

   

   一番左の鉛筆だけが赤く見えます。 まん中と右は、黒く見えます。

 

   今度は、青い光です。 

  

   今度は、右の鉛筆だけが青く見えます。他の2本は黒く見えます。

 

   青い光と赤い光を当ててみます。

   

   今度は、左が赤、右が青に見えます。 どうも、左は赤い鉛筆、右は青い鉛筆のようです。

   

    緑の光も追加します。 赤、青、緑の光があたっています。

   

    (影の色を見ると、緑の光も出ている事が分かります。)

   正解は、 左から、赤、黒、青の鉛筆でした。  単色光だと、色の認識ができない事が分かります。

 

    今度はボールです。 赤い光が当たっています。

   それぞれ、何色のボールでしょうか?

   

    左とまん中が赤く見えます。

 

    今度は、緑の光を当てます。 

   

    まん中が、黄色に見えます。  ( ちょっと両側のボールの色も分かってしまいますが、・・・(^_^;) 

 

    赤、緑、青の光を当てます。

    

    今度は、分かりました。 左から、赤、黄、青のボールでした。

 

 

  

  今度は、色覚検査表です。 最近は、色覚検査は希望者のみとなったそうです。 

 1. 青い光を当てています。 何の数字でしょうか? (数字が読めるような、読めないような・・・)

  

   

   赤い光を当てると、・・・・・・。

   

   16という見字が浮かびます。

   赤、緑、青の光を当てると、こんな風に見えます。

   

  

 

 

 

 2.  次は、こちらです。青い光を当てています。 ( なんとなく、20に見えますね。)

   

   

    赤、緑、青の3原色の光を当ててみます。

   すると、29が浮かびます。

   

 

 

 

 3.  今度は、こちらです。やはり青い光です。

   

   緑の光に変えてみます。やはり、読めません。

   

   

    赤い光に変えてみると、・・・・。

   

    はっきりと、42が浮かびます。

    3原色を当ててみると、 

   

    こんな感じです。 42と読めます。

 

 

 4.   次は、こちらです。 3原色を当てています。 (読めるような、読めないような?)

    

     3原色を当てているのに、読みにくいです。

 

     青い光を当てています。すると、・・・。

    

    今度は、45と、はっきり浮かび上がりました。 

    いままでは、青い光だと読めなかったのに、今度は青い光だと読めるようになります。

    なんだか、不思議ですね。(^_^;) 

   

 

 5.    次は、こちらです。青い光があたっています。

    数字が読めるでしょうか?

    

    

     3原色を当てると、・・・・。

    

     3原色をあてると、5という数字が読めます。

 

 

 6.   次は、こちらです。青い光が当たっています。 3に見えます。

    

   

     3原色を当てると、8に見えます。

    

    

    色覚検査表は、色覚の異常がある際に、他の数字に読めるようにしてあるんですね。・・・

    原理を考えると、当たり前なのかもしれませんが、マジックみたいでおもしろいです。

 

 

 

   つぎは、今回の実験の題名である、見えない光です。

  

    最初は、紫外線です。ブラックライトを使って、蛍光の観察をしました。

   

   

       蛍光を発する物を集めてみました。  

      

 

    こちらは、蛍光を発する石(鉱物)です。  青、赤、黄ときれいです。

   

   左から、ヴェルネル石、マンガンカルサイト、蛍石(フローライト)、もうひとつ蛍石、

   そして、一番右が、蛍光ガスが封入された水晶です。(水晶自体が蛍光を発しているのではありません。)   

   いろいろな石(鉱物)が、蛍光を発している所を見てもらいました。   

 

    次も鉱物ですが、ウラン鉱石です。燐灰ウラン鉱です。   

    

   とてもきれいに黄色に光りました。かなり強い黄色い光です。

   福島の原発の事もあったので、ウランと聞くと、みんなちょっと引いてました。(^_^;) 

 

     

    畜光シートも見てもらいました。 

    

   付属の紫(紫外線)のLEDでシート状をトレースすると、畜光作用によって、トレースした跡がしばらく光ります。

   ブラックライトを当てると、しばらくボッーと光り続けます。なんだか不思議です。

   

   蛍光ペンでなぞった星座絵です。

   

   幻想的に見えました。

 

  

 

    そして、最後は、赤外線での観察です。

   赤外線は、私たちの目には見えませんから、カメラの助けを借りて観察します。

  赤外線LEDを使って赤外線を照射し、白黒カメラとモニターを使って観察しました。

  

  CCDは、赤外線に感度が高いので、カラーのCCDは赤外カットフィルターが入っており、赤外線の

  感度は低いです。(赤外カットフィルターが無いとカラーバランスが崩れ、赤っぽく写ります。)

  白黒カメラは、カラーバランスは関係が無いので、赤外カットフィルターが入っていないようです。 

 

   テレビのリモコンです。 赤外線LEDが、デジカメを通すと光っているのが分かります。

   

   リモコンですと、赤外線は弱いので、赤外線LEDを並べた物を使いました。

  (電球などに赤外線フィルターを付けて照射したり、カメラ側に赤外線フィルターを付けても良いと思います。)

     

    左は、電源は入っていません。 右は電源を入れた所です。                      

    暗い所で、見てみると、下の様のなります。

     

   かなり明るく光っています。

   なんと、赤外線はプリント基板も通るようです。基板の裏からでもこんなに明るく光っています。

   

 

   赤外線は、暗視カメラなどにも使われています。 (防犯や動物などの観察用)   

    

   赤外線照射をしても、肉眼では(普通のデジカメ) ほとんどレンズキャップは見えません。 

   白黒のカメラを通すと、はっきりと見えます。

    

    千円札を見てみました。 (管理人は、お札を紫外線で見た事はありますが、赤外線は初めてでした。) 

    

     なんと、「千」の字や、野口英世先生の目が消えてしまいます。他にも、いろいろな変化があります。

     

    周囲の枠の模様や製造番号など、消えてしまいます。

     

    偽札を判別するため、こんな工夫がされていたとは、驚きでした。

 

 

    次に、数字を書いた紙です。

    

    これをカメラを通して見てみます。

     

    

    赤外線で見てみると、・・・

    

    2の数字が完全に消えてしまいました。 また、他の数字も薄くなってしまいます。

   

 

    今度は、8の数字が三個並んでいます。

    

    カメラを通してみます。

     

   

    赤外線で見てみます。

    

    すると、LEDという文字が浮かびました。

 

    数字の書いた紙や、888と書いた紙を赤外線をとおしてみると、

    書いてある文字が消えたり、文字が変わってしまいました。

   

   なぜかというと、インクに秘密があります。 (千円札の時もそうでした。)

   赤外線を通すと、墨などは赤外線を吸収します。 赤外線を吸収しないインクは、周囲の紙と同様に

   赤外線を反射するので、赤外線では文字が見えなくなってしまいます。

   おもしろいですね。 

   

 

   いろいろ、やったので時間がオーバーしてしまいました。

  いろいろ見てもらいたくて、実験を詰め込み過ぎたようです。 ちょっと反省しています。

  もうちょっと、原理的な事を説明した方が良かったと思いました。

   

 

   時間が終わった後も、みなさん しばらくやっていました。

   

 

   

 

    

 

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