2012年2月8日  放射線 と ドライアイスの実験  
 

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                                - かけ足となってしまいましたが、放射線 と ドライアイスの実験を行いました。  -  

     放射線を見る霧箱です。

   

  2012年2回目の実験です。 プラネタリウムの製作に時間をとってしまったので、かなりかけ足となりますが、

 ドライアイスと放射線の実験を行います。 放射線の観察では霧箱を使いますが、その際にドライアイスを

 使うので、ちょうど都合が良いという理由もありました。

  

 

   事前の準備です。

  今回は、ドライアイスを使うので、管理人の家で利用している生協の配達の方に、事前にお願いしておきました。

 火曜日に生協の配達があるので、翌日の実験日までドライアイスがもつか、事前に実験をしています。

 発泡スチロール製の保存容器だけでは駄目で、内部の上下左右前後6面に、更に各々発泡スチロールの板を

 敷きつめれば、翌日まで保存できました。(そうでなくとも、容器を2〜3重にすれば大丈夫だと思います。) 

 また、実際に実験でドライアイスを使う時は、細かく砕く必要があるので、軍手やハンマー、割る際に下に敷く

 板も用意しました。ドライアイス実験で、水に溶けた二酸化炭素の酸性を見るため、BTB溶液も用意しました。

  放射線を観察するために、霧箱も用意しました。しかし、これらの霧箱は、以前、東大柏キャンパス一般

 公開の時に宇宙線研究所で作製したものや、KEK(高エネルギー加速器研究機構)の一般公開時で作製

 したものを使用しました。また、放射線の軌跡を観察するためのLEDライトも用意しました。

  ガイガーカウンターは、RADEX1530やストロベリーリナックスのキットを用意しました。放射線源としては、

 キャンプ用のランタンのマントルや管理人の家の前の道の窪みにたまった土を用意しました。

 

 

 

 

  実験当日です。

  当日は、早めに行って、実験器具や材料を並べました。

 

  

  いつでもドライアイスが割れるように、端のテーブルに、ハンマー等を用意しました。

 奥には、テーブルの数だけBTB溶液を用意しています。(コントロールも用意したため、各々2本づつ)

 

  ドライアイスの容器の中に、水銀も入れておきました。

 

  水銀は、凍って(個体になって)います。

 

 

  クラブの時間が始まりました。はじめは、放射線の実験です。

 柏は、福島の原発事故後、ホットスポットと言われています。このため、校庭の除染などの話題もありました。

 児童達も熱心に話を聞いていました。

 

  時間があれば、もう少し詳しく話をしたかったのですが、時間が無いため、極々簡単な話に留まりました。

 

  まずは、自然放射線です。 ガイガーカウンターを、しばらくそのまま放置しして、観察しました。

 カウンターは、結構な頻度(数秒で1度)で、ピッ、ピッと、鳴っています。

 

  宇宙からやってくる放射線や、空気中にあるラドンという放射性の物質(気体)、建物のコンクリートの中の

 物質などから出てくる放射線と思われました。

 

  結構、ピッ、ピッと音がするので、みんな驚いていました。 身の回りにも、結構、放射線が飛び

 回っている事を実感しているようでした。

 

 

  次は、キャンプ用ランタンのマントルです。

 

 

  鉛入りのフィルム防護袋、アルミ板、ステンレス板などで、遮蔽してみました。

 

 

 

  ストロベリーリナックスのキットのガイガー管、LND712は、雲母の窓があり、α線も感知できます。

 紙、アルミ板、鉛板など遮蔽物を変えると、透過する放射線の違い(α線、β線、γ線)なども調べる実験を

 やりたかったのですが、時間が無いので、割愛しました。

 

  これは、管理人の家の前の道の窪みにたまった土です。雨によって運ばれた土砂が運ばれ濃縮された

 ものです。(校正された線量計で計測すると、5cmの距離で、1.7μSv/h ありました。)

 以前は、放射線源を入手するのはちょっと大変でした。原発事故後は、身の回りのどこでも

 手に入るようになってしまいました。実験をするには良いですが、なんとも困ったもんです。

 

 結構、カウンターがかなりの頻度でピッ、ピッと、音がしました。線量が高いので、みんな驚いています。

 

 

 

  次は、放射線の通った後(軌跡)を観察します。霧箱の実験です。 

 

 

  エチルアルコールを入れています。(側壁のスポンジにしみ込ませています。)

 

 

  線源は、ランタンのマントルです。

 

 

  一方で、ドライアイスの用意もしました。  

 

 

  部屋を暗くして観察です。

 

 

 

  こんな感じに見えました。

  

  

 

   次は、ドライアイスの実験です。

  最初に、ドライアイスに金属を当てると音が出る実験です。

 

  

  ピンセットをあてました。

 

 

  10円玉を乗せました。

 

  こんな感じです。

 

 

  

 

  固体化した水銀を見てもらいました。

 

  少し時間がたつと、液体に変わります。 当たり前ですが、液体の金属を見る機会はあまり無いので、

 なんだか不思議です。

 

 

 

  BTB液に、ドライアイスを入れる実験をしました。

 

  入れた途端に、ぶくぶく泡が出て、黄色に変わります。酸性に変わったことが分かります。

 

 

 

   最後に、ドライアイスを入れた水の上で、シャボン玉を浮かせる実験をしました。

 

  しかし、ビーカーでは、開口面が狭く、うまくいきませんでした。 このため、水槽をお借りして

 実験をしました。

 

 

 

 

  見事、浮かす事ができました。

 

 

   時間が経つと、スモークで水面がおわれてしまい、幻想的です。

 

 

  

  申し訳ない事に、今回も少し時間をオーバーしてしまいました。

 

  写真はありませんが、終わった後で、何人かの児童は、電離箱式のサーベイメーター フルーク 451P 

 を持って、外の放射線量を測りに行きました。 (器械を初めてみた時、フルークの451Pは、赤と黄色で

 船のような形をしているので、児童の何人かは、最初は赤ちゃん用のおもちゃだと思ったそうです。)

 理科室を出てすぐの所では、地面の直上で、0.5〜0.8μSv程度あったようです。

 (きちんと校正されている機器での値です。)

 

 

  来週は、最後の科学クラブです。 晴れていれば、ソーラークッカーの実験をやろうと思います。

 また、5月21日には、金環日食が見られるので、その事も紹介しようと思います。

 

 

  

   < 反省点、感想など >

  1. プラネタリウムの製作に時間をかけてしまったため、時間が取れず、2つのテーマでの実験と

    なってしまった。それぞれ、もう少し、深く掘り下げて行いたかった。 どっちつかずといった感じに

    なった。どちらか一方にすべきであったかもしれない。

  2. 柏市はホットスポットと言われており、放射線に関しては、児童達はかなり興味があったようであった。

    線種や性質など、もう少し掘り下げて紹介すべきだったかもしれない。

  3. 炭酸ガスのボンベ(通商 ミドボン 日本の企画では、二酸化炭素のボンベは緑に塗られている)も

    用意していたが、ドライアイスが前日から(昇華せずに)もったので、使用せずに済んだ。

  4. ガイガーカウンタのキットを用意していたが、製作が間に合わず、各テーブルごとの実験が出来なかった。

    準備不足であった。

 

 

 

 

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