2013年2月13日  レーザー光の実験  
 

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                              - レーザー光線の実験です。 理科の授業,光の実験のようになってしまいました。  -  

      理科室のドアに、念のため標識を掲示しました。

  

  

   事前の準備です。

  今年度最後の実験となりました。 リクエストのあった実験のうち、ソーラーバルーンの実験、

 ドライアイスの実験、レーザーの実験が未施行でした。この中で、科学クラブでは、まだやったことのない、

 レーザー光の実験をやってみることとしました。 レーザー光の実験と言っても、基本的には光の実験です。

 最近は、本格的な光の屈折や反射の実験は、中学校で行う様になったみたいです。内容的には、ほとんど

 理科の授業のようになるなかもしれませんが、反射、屈折に加え、普段は馴染みのない、回折の実験も

 やってみることとしました。 

  レーザーの実験には、網膜を傷める等の危険も伴います。ちょっと心配な部分もありますが、事前に

 注意事項を話すなどして、最新の注意を払って行おうと思いました。また、今年度のクラブの人数は

 8人と少人数で2テーブルだけなので、管理人やアシスタントである管理人のかみさん、顧問の先生と、

 テーブルの数以上の3人の大人がいるので、目が行き届くと思われ、児童の危険な行為は防げると思い

 ました。

 

 

  レーザーのモジュールは、秋月電子aitendoなどから購入しました。

    (大阪出張の際に、共立のグリーンレーザーも購入しましたが、今回は使用しませんでした。(^_^;) 

  秋月電子で、赤色レーザー発光モジュール(円筒型)LM-101-A2  を購入し、赤のレーザー光源として

 使用しました。また、緑色レーザー発光モジュール JPM-1-3(A4)APC も、緑色の光源として

 用意しました。 (秋月の赤レーザー(円筒形)は、外径が10mmでした。グリーンの方は、外径は12mm

 でした。)

  aitendoのモジュールも使用してみました。はじめ レーザーモジュール(赤)[LM-06003R] を使ってみましたが、

 モジュールによって出力の個体差が著しかったのと、不良率が高かったので、レーザーモジュール(赤/5mW)

 [LB-12034XSF-B2S] を利用しました。 こちらのモジュールは、外見が一緒ですが、照射パターンが、スポット、

 直線、十字と3種あるため、店頭での購入の際に注意が必要です。 (直線、十字の物は、建築現場で使われて

 いる、レーザータイプの水準器、レベラーに使用されている物と思われます。前面に回折のスリット状の物が

 付いているようです。こちらも用意して回折の実験の際に、紹介しました。) こちらのモジュールの方が、出力が

 高く、ピントも調整できるので、好適と思いました。(出力が高いので、目に入った際の危険性は高くなりますが、・・・

 こちらのモジュールの外径は、12mmでした。)

 

  これらのモジュールをマウントする物を作製しました。各テーブルで使用する、モジュール3個づつをマウントする

 ため、100均で購入した木材に、モジュールの入る直径12mm(秋月の赤のモジュールは直径10mm)の3個の穴を

 開けましたが、自分の加工精度が悪く、正確な垂直性が得られなかったのと、それにも増してモジュールから出て

 いくレーザー光が、モジュール前面から正確に垂直には出て行かず、かなり偏っていたりもしました。このため、

 光軸調整装置(望遠鏡のファインダーの光軸調整装置のように、パイプ等の内部にモジュールを3方向からネジで

 固定し、ネジによって光軸が調整できるようにしようと思いました。)を作製しようと思いましたが、時間がないため、

 他の先生が利用しているように、粘土をベースにして、光軸微調整をする簡易的な物で済ませました。

 こちらは、各テーブルで観察してもらいます。クレンザーの入った白濁した水をいれて、光跡を観察するための

 100均の直方体状の物入れを用意しました。

 

  立体的に、光跡が観察できる物も用意しました。

  

  縦3列、横3列で、9個のモジュールを使用しています。光軸中心の物だけ、分かりやすいように緑のモジュール

 としました。上述の通り、加工精度も悪いのですが、それにも増して、モジュールから出ていくレーザー光が

 かなり垂直からすれていました。こちらも、光軸調整装置を作製する時間がありませんでした。こちらは立体的な

 ため粘土を利用したした簡易マウントは使えないため、このままデモをすることとしました。こちらは、立体的に

 光跡を観察するためのスモッグを閉じ込める水槽や、光を屈折させるためのレンズなども用意しました。

 

  反射の実験の際に、入射角と反射角を見てもらうため、簡易的に角度が分かるように、角度の目盛りを入れた

 ラミネート加工した台紙も用意しました。

   (目盛りは 10度と あらいです。 (^_^;)

  (あとで、思ったのですが、入射角や反射角が一目でわかるように、垂直を0度として、目盛をうてば良かったです。)

  レーザー光を反射させるための100均の鏡も用意しました。

 

  そのほかに、レーザー光で風船割りをしてもらうため、安全メガネとして、100均の赤の下敷きで、

 簡易安全メガネを作製しました。 

    (風船割りは、青い色のレーザー光を使うため、赤としています。)

 

   その他に、回折の観察をするためのスリット等を用意しました。

 

 

   (風船割りに使ったレーザーのモジュールは、クラスIVと高出力ですので、扱いを誤ると大変危険です。 安全上を考え、

   申し訳ありませんが、こちらでは入手先などの紹介はしないことにします。 このホームページの趣旨からはずれますが、

   すいません。 m(_ _)m  )
 

  

 

 

   実験当日です。

 

  いよいよ今年度最後の実験となりました。今回の実験は、ちょっと危険も伴うので、心配です。

 本当は先週のクラブの時間に、3年生のクラブ見学があるはずでしたが、天候の関係で今週に

 変更になりました。クラブ時間の途中に、外部から入ってくる人が来るので、念のため、入口に

 標識を貼りました。

  

 

  各テーブルに、光跡を観察するための 100均の小物入れを準備しました。小物入れの中には、

 水を入れた後、クレンザーを少量入れて白濁させました。スクリーンも設置しました。

   

 こちらは、直方体の木片に、直径10mmの3個の穴を開けて、秋月の赤モジュールを設置しました。

 

 

   モジュールの光軸合わせを行いました。

   

  こちらは、紙粘土の簡易マウントです。モジュールから電源までは、近隣のホームセンターに置いて

 あった一番安いコード、インターホン用のコードを使用しましたが、銅の単線でした。このため、コードの

 腰が強く、光軸を合わせても、コードのくせで戻ってしまい、なかなかうまくいきませんでした。次回の時は、

 光軸調整装置が必要だと思いました。

  

  レーザー光を当てるときれいなので、100均のビー玉、ガラス容器、その他の小物を用意しました。

   

 

 

   

   時間になったので、みんなが理科室にやってきました。 そして、今年度最後のクラブが始まりました。

 

  レーザー光線について、危険性を話しました。絶対にのぞき込まないことや、絶対に人に向けない等の

  注意事項を伝えました。簡単なレーザー光の紹介もしました。

 

   早速、実験を始めました。

  

  まずは、屈折の実験です。

   

  

  

   

  光路にレンズ等も入れて、光跡を観察しました。

  斜めに入射すると、屈折している様子がよくわかります。

    

  各自、いろいろと動かして、形の変化を観察しました。

 

 

   ついで、レーザー光の単色のスペクトルを見てもらい、赤のLEDと比較をしてもらいました。しかし、分光器

 の数が足りず、また、分光器の使い方に慣れが必要なようで、あまりうまく観察できなかったようです。 

 今後は、もっと簡単に見てもらうような物を考えます。

 (モジュールのレンズを外して投影しました。あまりうまくいきませんでした。)

  、 

  

 

  次に、デモを行うテーブルに集まってもらい、立体的な光跡を観察してみました。 水槽内で線香をたいて

 煙を発生させようとしましたが、煙が出にくい線香のため、うまくいきませんでした。そこで、ドライアイスで

 スモッグを発生させました。

  カメラは、オートにして撮った所、平均測光のためか、また、スモッグが多いためか、光跡は露出オーバーとなっています。

 見えにくくてすいません。目で見ると、きれいでした。中心軸は、緑ですが、写真では黄色っぽくなってます。 m(_ _)m 

  

  写真左の水槽の外に、3×3のレーザー光源かあります。水槽内に凸レンズを立てています。

 水槽内の右にあるビーカーは、ドライアイスが入った水です。凸レンズで集光される様子がわかります。

  

  凹レンズと凸レンズを置いています。(凸レンズの方がパワーが弱いため、散光しています。)

  

   凹レンズで散光されたあと、凸レンズでわずかながら散光が弱められています。

  

   あまり意味が無いかもしれませんが、レンズを傾けて置いてみました。

   

   

   2枚目のレンズを1枚目のレンズの焦点付近に置きました。光は2枚目のレンズの中心付近を通るため、

  光跡はそれほど変わらないようです。

 

   実験とは言えないかもしれませんが、ビー玉の入ったガラス容器も置いてみました。

    

   とてもきれいで、幻想的でした。

 

 

   次いで、各テーブルに戻ってもらい、反射の観察をおこなってもらいました。

   

   光跡が見やすいように、両サイドにドライアイスを用意し、スモッグを発生させました。

   

   入射角と反射角が等しくなることを、確認しました。

 

 

    このあと、回折、干渉の観察を行いました。 途中で、3年生のみんなが、クラブの見学に来ました。

    

    簡単に、回折の話をしています。(細かい事は抜きにして、光には波の性質もあると言う程度です。)

   (実験中の写真は撮れなかったので、この写真はイメージです。)

    

   緑や赤のレーザーで観察しました。スリット幅を可変できるスリットを製作したかったのですが、製作が

  間に合いませんでした。 でも、縦の隙間なのに、横に光が広がるのが不思議です。

   色素の塗っていないCD-Rの板でも回折の観察をしました。

    (実験中の写真は撮れなかったので、この写真はイメージです。)

 

    写真にはありませんが、aitendoのラインや十字のモジュールも紹介しました。前面の格子の性状から、

   どのように照射されるか予想してもらいました。 

   

 

 

   そして最後に、レーザー光線による風船割りを行いました。 レーザーは、エネルギー(熱)を小さい

  範囲に集中して照射できます。照射した熱により風船が割れる所を見てもらい、危険と言う事を認識

  してもらいます。 みんなに安全メガネをつけてもらいました。 光路の末端は、斜めに白系のスクリーンを

  置き、適度に反射、散乱するようにしました。光路の末端側には、立ち入らないように注意しました。

    

   一人一人風船を選んでもらい、膨らませてもらいました。

    

   黄色い風船は、照射した瞬間に割れました。

    

   赤や緑、黄色など、青い光を吸収する色の風船は割れましたが、

   青やピンク色の風船は、青い色を反射するため、割れませんでした。

    (割れた風船が周囲に散乱しています。)

   ピンクの風船にしばらく照射しましたが、割れませんでした。

   「青い風船は、青い光を反射しているから青く見える。」

   「ピンク(マゼンタ)は、青と赤を反射しているからピンクに見える。」という事を

   分かってもらえたでしょうか?  でも、ちょっと危険かもしれませんが、・・・。

 

       機会があれば、光と色の実験で、レーザーによる連続風船割りをやってみようかと思います。

   色々な色の風船を縦に並べて、手前からレーザーを照射し、次々に風船を割っていく実験です、

   割れなかった色の風船を取り去ると、また、次々に風船が割れていきます。

   光の色と 物体の色の反射について考えてもらい、どの色の風船まで割れるか等を予想してもらい

   ます。 そして、実際にそうなるか実験をしてみると面白いかと思います。 

   (でも、ちょっと危険も伴うので、小学校でやるには 賛否両論があるかもしれませんが、・・・・)   

    

 

 

 

    最後にちょっと危ない実験をしましたが、これで今年度最後の実験です。

  みなさん 1年間ありがとうございました。

 

    最後に、皆さんからの作文を頂きました。ありがとうございました。

   また、記念品として、額入りの写真も頂きました。どうも有り難うございました。

   

 

 

   今年度は、6年生は1名だけでした。残りの7人は、4年、5年生です。また、来年度も科学クラブに来て

  くれるでしょうか? 全体の児童数も減っているので、科学クラブの希望者も減っているのかもしれません。

  科学クラブ存続の危機かもしれません。 これから小学生になるみなさん、ぜひ、富勢西に来て下さいね。

  科学クラブで、待っていますよ。

 

 

 

 

   <反省点、思ったこと等>

  1.準備不足であった。

          スリット幅を可変できるスリットの製作。

          モジュールの光軸を調整できるマウント。

          スペクトルを簡単に比較できる分光器   等を 製作したかった。

  2.他の先生のホームページを拝見すると、レーザーを使う場合、立って作業を行い、光軸から視線を離して実験を行う等の記述があった。

    安全性について、もう少し綿密に検討していきたい。小学校高学年であれば、こちらの言う事は、守って行動出来ていたため、

    事故は起きなかった。 今後は、落ち着きの無い子もいると思われ、その場合は、中止する等も検討していきたい。

  3.小学校で光の事をどこまで学んでいるか、もう少し知っておけば良かった。4年〜6年生と広い範囲の学年ががいるので、どこに合わせて良いか

    難しい面もあると感じた。  興味を持ってもらえるかどうかは、導入の影響が大きいと思われる。興味をひいてもらえるような導入を考えていきたい。

  4.安全面には十分な注意が必要と思われるが、前述の通り、光と色の実験で、レーザーを使った風船割りを行って見たいと思った。

    (科学実験の演出として、適当かどうが疑問は残るが、・・・) 今後、方法を考えて行きたい。

    

                                   

   

 

 

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