ホーム > 2015年度の実験 > 昔の計算機で計算をしてみよう
- 機械式計算機で計算をしてもらいました。 -
タイガー機械式計算機です。
今回の科学クラブは、「昔の計算機で計算をしてみよう」という題材で行うことにしました。
この題材は、クラブの初めに施行したやってみたい実験のアンケートの際に、数人の児童が
チェックをしてくれていました。チェックをしてくれた人数は少人数ですが、管理人が興味を
持っていた内容です。
管理人は計算の原理などの話に興味があり、また、昔の計算機にも興味があったので、
機械式計算機を入手していました。機械式計算機は普通は博物館に置いてりますが、
機械式計算機で実際に計算をさせてくれる機会はほとんどないと思います。ぜひ、
児童達に機械式計算機で計算をしてもらいたいと思いました。
この題材は、正直言って、科学クラブの題材にふさわしいか分かりません。この題材を見た
管理人の中学2年の娘は、「これでは科学クラブではなく、算数クラブだ。」と、言い切って
いました。(^_^;) 計算は科学の基本なので、良しとしましょう。・・・
内容としては、ただ、機械式計算機を計算してもらうだけでは内容がないので、昔の
計算の道具を知ってもらうため、いくつかの計算方法の道具を用意して見てもらうことと
しました。
1.インドの蛇算(紐を使った掛け算)
2.ネイピアの骨(計算棒)
3.算木と算盤
4.計算尺
5.算盤(そろばん)
6.機械式計算機
これらの計算方法をみてもらうこととしました。
(完全に管理人の趣味の世界となってしまいました。・・・・)
< 事前の準備です >
1.インドの蛇算(紐を使った掛け算)
紐を使った掛け算ですが、実際の紐を使って計算をしてもらうため、100均の
毛糸を用意しました。40cmの長さに切って、各テーブルに緑と赤(かける数と
かけられる数)10本ずつ用意しました。 二ケタのどうしのかけ算をしてもらおうと
考えていましたが、二ケタの10の位の数字と1の位の数字を足して10を超えると
10本以上必要になります。そのような場合は、その場で毛糸を追加することに
しました。また、毛糸だと癖があるので、そのまま机に置いてもピンと張ったままで
置けません。このため、テープを用意し、テープで毛糸を机の上に固定することと
しました。
2.ネイピアの骨(計算棒)
インドの蛇算を実際の数字にしたものです。かけ算九九の表となっています。
それぞれを縦に短冊状に切って各テーブルに2セットずつ用意しました。
3.算木と算盤
算木と算盤も計算の歴史上の道具としては、興味のある物と思います。
この道具は、足し算、引き算はもとより、掛け算や割り算、さらに、方程式も
解けるそうです。難しい計算は時間が無いので、簡単な計算をして貰う事と
します。(難しい計算は管理人理解不能。今度ゆっくり取り組みます。(^_^)
算盤の升目は、1辺5cmの正方形としました。写真左の算木は、100均の
竹ひごを、長さ3.5cmに切りました。各テーブル40本ずつ用意しました。
(下は、算木の各数字の置き方です。この表も用意しました。)
4.計算尺
計算尺も無くてはならない物と思います。本当は人数分だけ用意して、
実際の計算尺を触ってもらうのが一番ですが、現在は販売されておらず、
(円形計算尺は販売されていますが、)人数分の数は用意はできません。
このため、他の方のページの計算尺の型紙をダウンロードし、使わせて頂き
ました。
実物の計算尺です。 HEMMI の 2664S
です。
これらは、管理人の子供の学校で廃棄されるものを頂いてきました。
(いまとなっては、貴重なものです。ありがたいです。)
用意した紙製の計算尺は、尺が少ないですが、普通の乗除ではC尺とD尺しか
つかいませんので、こちらの計算尺で、雰囲気は十分だと思います。
こちらからダウンロードさせて頂きました。
ペーパークラフト計算尺と二進数そろばんの作り方
(計算尺は、こちら)
上記のページからダウンロードをして、画用紙に印刷しました。
(後で思ったのですが、画用紙より厚い、ケント紙のような紙の方が
強度があってよかったと思いました。)
画用紙に印刷した計算尺を、カッターで切りました。
説明ではセロテープでカーソルを作る様になっていますが、今回は100均の
プラ板で作りました。100均のプラ板を印刷した型紙のカーソルのサイズに
カットします。型紙コンパスの針等で、カーソルの位置に傷をつけ、赤色鉛筆を
傷に塗り込みました。これを人数分(13人)+α用意しました。
立派な計算尺が出来ました。
また、計算尺の原理を知ってもらうため、(かけ算を足し算にするため)
対数の長さの比にした厚紙と物差しを用意しました。
それぞれの長さは、20×Log(X)センチメートルとしました。(常用対数)
5.算盤(そろばん)
これも計算道具の歴史の中で有名なものと思われます。学校でも少しだけ
触れるようです。このため、昔のそろばんを用意し、簡単に触れる程度とします。
6.機械式計算機
歯車を使って計算をするのは、機械好きな管理人にとって、大変興味があります。
以前、ヤフオクで落札してしまいました。
タイガー計算機の後期の物の様です。
構造見本(桁数を抑えて、歯車の構造が見えるようにした物)も同時に
お願いしました。桁数は少ないですが、内部のレバー等の動きも良く
見えます。
これらの計算機を持参して、みんなに計算を体験してもらうこととしました。
< 実験の当日です >
本年度3回目のクラブです。今回の題材はやってみたい題材だったので、管理人は準備の
時も楽しかったのですが、今回の題材をリクエストした児童は数人なので、他の児童はみんな
嫌がるのではと不安でした。そう思いながら当日を迎えました。
上記のように、右から計算機、和と差を計算するための金属製定規、ネイピアの計算棒、
計算尺の実物(直尺型3本、円形1個)、その他を用意しました。
もう一つのテーブルには、
もう一つのテーブルには、毛糸(インドの蛇算用)、確認用電卓、計算尺の原理説明用定規、
算木と算盤等を準備しました。
クラブが始まりました。
まず、初めに毛糸を使って、インドの蛇算をやってもらいました。
23×37を計算しています。
インドの蛇算は、科学クラブ顧問のH先生が、過去に受け持ちをなさっているクラスで
やったことがあるそうです。
次に、ネイピアの骨(計算棒)を使って計算をしました。
(しかし、写真がありません。すいません。 m(_ _)m 算木と算盤は時間が無いので割愛しました。
そして、計算尺です。
はじめに、100均の定規を使って、足し算、引き算の計算の仕方を紹介しました。
100均の40cmの定規です。 片方の目盛を0に合わせ、他方の目盛を読めは、足し算、引き算が行えます。
上の定規の0(mm)を、下の定規の目盛85(mm)に合わせました。こうすると、たとえば、
85+34の計算ができます。上の34の目盛の下は、119となります。(写真が見難くてすいません。)
また、上の写真の様な場合、119−34の計算ができます。下が119、上が34の目盛を
合わせることにより、上の0にあたる下の目盛85が答えとなります。 このようにして、足し算と引き算が計算できることになります。 では、かけ算やわり算を計算するには、どうしたら良いでしょうか?
そこで、かけ算やわり算を足し算や引き算にする、魔法の目盛を見てもらいました。
( 魔法の目盛は、対数の目盛です。^_^);
2と2を足すと4となっています。 2+2=4となっています。 でも、こちらは、・・・
2と3を足しても5にはならず、6となります。 実は、2×3=6 となっています。 2を3個並べると、・・・
2+2+2=6 とはならず、 2×2×2=8 となっています。 こちらは、2と5です。
2+5=7 にはならず、 2×5=10 となっています。 かけ算が、足し算になる 魔法の長さです。 みんなで、試してもらいました。
かけ算を足し算にする対数という目盛をみてもらった後で、計算尺を配布し、
計算をしてもらいました。
そろばんも、見てもらいました。小学校では、少し触れるようです。
そして、最後に機械式計算機で実際に計算をしてもらいました。
初めは、誰もいじってみようとしませんでした。博物館に展示してあるような
物なので、めったにいじれないと伝えると、みんな積極的になりました。(^。^)
顧問の先生は、機械式計算機に興味があるそうです。なんと、使用法をご存知でした。
機械式計算機で計算をしたことは無く、初めてのようでしたが、手際良く
計算しておられました。すごいです。
構造見本モデルは2桁しかありませんが、計算は可能です。
みんなに受けていたのは、マイナスになるときのベルの音でした。
機械式計算機を体験してもらい、本日のクラブは終了しました。
ところで、紙製の計算尺は、何人の児童が、とっておいてくれるでしょうか・・・。
< 反省点、思った点、気付いた点など >
1. 計算の歴史については、あまり児童は興味をもてないようであった。(特に4年生)
もうすこし、興味を持ってもらう導入が必要と思われた。 2. 実物の計算尺が人数分用意できるとよかった。 3. 内容を欲張りすぎたため、かなり時間に追われる進行となった。もう少しポイントを絞った方が
良かった。 4. 顧問の先生は、インドの蛇算等を担任のクラスですでにやっていた。事前に内容の確認をした方が
良いと思われた。 5. 機械式計算機の体験は、顧問の先生に喜んで頂けたので、良かった。
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千葉県 柏市立富勢西小学校 科学クラブ 日記
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