エアドーム  製作記 情報収集編    

                          

                                                                                             -  エアドームの情報を集めました。 −

 

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このページをご覧になり、エアドームを作った方へ。 また、こちらの方法以外で製作した方へ。

 エアドームについての問い合わせを頂く様になりました。 しかし、管理人の方法がベストと言うことは
 ありません。そこで、みなさんがドームを製作した際に、工夫した点、苦労した点などをお寄せ頂き、
 みなさんで情報を共有できたらと思っています。当ページの方法のみならず、当ページ以外の方法でも、
 ご連絡をくだされば幸いです。 掲示をさせて頂き、情報を共有していきたいと思いますので、ご報告の程、
 よろしくお願いいたします。   m(._.)m                                         管理人  相田

 メールはこちらに、 (画像となっています。)  ー>             

   その後の改善点は こちら

    学校の事例紹介は こちら
                      ( 市川学園 市川中学校・高等学校 地学部,   日本女子大学附属高等学校 天文部
                        千葉県立柏高等学校 天文部 黎明祭 2023年 )
 

   近隣の学校の紹介は こちら 
                      ( 東京理科大学 野田天文研究会、  千葉県立柏高校 天文部 黎明祭 2015年 )

         つくばエキスポセンターのオリジナルの紹介は こちら

   近隣の学校のダンボールドームは、こちら 
          ( 2016年度 二松學舎大学附属柏高等学校 3年8組 ジオデシックドーム)

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  柏市富勢西小学校「ときわぎ祭 」という、文化祭の様なイベントに参加させていただくため、プラネタリウムを企画

 しましたが、上映にはドームが必要です。 はじめは過去に製作したのと同様に、塩ビパイプで半球状に骨を組み、

 そこに白い布製の半球状のスクリーンを取り付けてドームを作製しようと思っておりました。 しかし、最近では、

 組み立て式(自立式)ではなく、空気を送気して膨らませるエアドームもあるようです。

  早速、ネットなどで、情報を集めました。 

 いくつかのページを参考にさせていただきました。 皆様いろいろ工夫なさっています。

 素材、形式などで分けてみますと、大体以下のように分けられると思われました。

素材 遮光性 自立式か

送気式(エアドーム)

特徴など
段ボール 多面体 自立 組み立て式

組み立てに人手

X

(カバーを掛ければ○)

半球 骨組みに吊り下げ 

or 送気

部屋を暗くするか

遮光性のあるカバーが必要

ビニール X

(遮光性ビニールならば○)

半球 吊り下げ or 送気 材料費比較的安価

耐久性がない?

ターボリン

(遮光性のあるターボリン)

半球 送気 耐久性があるが高価

重量がある

  大きさは、一度にある程度の人数が入れるようにある程度、5m程度を考えていました。半径は2.5mとなります。

 それに、壁面・垂直部の高さが加わるので、3m程度の高さの空間が必要です。測ってみると、教室の天井高は、

 約3mでした。 しかし、教室の天井は、蛍光灯の照明器具があるので、実際には、3mの高さは使えません。

  そこで、体育館を使っての上映を考えました。体育館では、「ときわぎ祭」 当日は、午前中に合唱祭をやって

 いるので、上映のための設営準備時間が、1時間ぐらいしかありません。段ボールを使ったドームや、骨組みを使っ

 たドームを、あらかじめ外で組み立てて準備しておいて、会場が空いたら搬入することも考えましたが、直径が5m

 あると、入り口からは搬入できません。また、投影機材本体の準備もあるので、トータル1時間程度では全体の設営

 準備が難しいと思われました。 そのため、5mの大きさはあきらめ、空き教室を借りて、事前にゆっくりと準備をした

 ほうが良いかとも思いました。( ピンホール式のプラネタリウムなので、ドームの直径が小さい方が、星像がシャープ

 になるという利点もありました。)  

  また、撤収の後片付けの時間を考えると、ときわぎ祭終了後の限られた時間内に撤収をしなければなりませんでした。

 実行委員会にお願いすれば、設営時も、撤収時も、ある程度の人員を準備して頂けるようでした。しかし、プラネタリウム

 のためだけに、多くの人員を確保してしまうと、他の出展者の方に迷惑がかかってしまいます。 エアドーム方式であれば、

 設営、撤収にはそれほどの時間や人手がかかりませんので、エアドームにする方向で考えていくことにしました。

 

 

  エアドームに関しては、東京理科大学天文研究部様の「プラネタリウムドームを作るために」が、参考になります。

 布製にすると、遮光性がないので、教室や体育館を暗室化しなければなりません。(上から黒い遮光性のあるビニールで

 覆えば良いのかもしれません。) 教室の完全な暗室化は、容易ではありません。以前、針穴写真を現像するために

 理科室を暗室化しました。その際に教室の完全な暗室化が大変であることは分かっています。ある程度の明るさの中で

 できるのは、遮光性のあるビニールかターボリンということになります。 耐久性、遮光性などを考えると、やはりターボリン

 と言うことになるようです。しかし、価格は、上記のページによりますと、50mで、85,000円とかなり高価なようです。予算は、

 そんなにありません。(基本的には管理人の小遣いです。(^_^;)) 結局、予算のこともあり、ビニールなどを使って、作ろう

 かと思いました。(このような事を考えていたのは、2010年の秋の事でした。) いろいろなホームページを見ていると、

 ヒゲキタさんは、ごみ袋や  農業用のマルチシートを使って、ドームを作っていらっしゃいます。 やはり、価格などの面

 から、ビニールしかないと思いました。

 

 

  話がちょっと逸れますが、管理人は科学実験好きなので、科学フェスティバルなどがあるとよく出かけています。 

 2010年の秋に、つくば市で「つくば科学フェスティバル 2010」 という催しが開かれる事を知りました。そこには、

 つくばエキスポセンター移動プラネタリウムがあるとのことでした。 管理人は、移動プラネタリウムは、いままで

 見たことが無かったので、是非見てみたいと思い出かけました。 行ってみてから驚いたのですが、ドームの大きさは

 なんと7mもありました。また、ドームの素材も見て、驚いたのですが、かなり薄い素材でできているようです。薄いのに、

 遮光性は完全です。 エアドームの送風は、業務用の扇風機を使っておられました。中では、五藤光学NEXを使って

 上映をしていました。 丁度、エアドームの情報集めをしていた時だったので、迷惑だったかもしれませんが、エキスポ

 センターの係の方にいろいろ伺いました。 しかし、残念なことに、管理人が行った当日は、エアドームを製作なさった

 先生は不在でした。

  そこで、後日、メールでつくばエキスポセンターに問い合わせをさせていただきました。 すると数日して、つくば

 エキスポセンターの萩原先生から、ご丁寧にメールで材料や機材などの詳細な情報を教えていただきました。 

 ( 萩原先生ありがとうございました。 m(_ _)m )

 個人でも製作できそうなので、そこで、今回は、つくばエキスポセンター方式とすることにしました。

 

   こちらの情報については、ネットで公開しても良いとの承諾をしていただいております。

   萩原先生は、この件に関し、特許出願中とのことでした。

 

---------------------------- < 追記 >----------------------------------------------
  その後、出張上映の際のプラネタリウムは、五藤光学のNEXから、大平技研のMegastar Zeroに
 変わっています。
---------------------------- < 追記終わり > -----------------------------------------

 

 1.ドームの素材について

  今までに見たことも無い、とても薄く軽いです。こんな素材で、なぜ遮光性があるのが不思議でした。この素材は、

 武田産業様のカーボンレス遮光フィルムWBW-Sというものだそうです。 白-黒-白 と 三層になっているので、

 遮光性があるようです。 もともとは、食品包装用のフィルムだそうです。 つくばエキスポセンターでは、80cm幅、

 1Kmの物を購入したそうです。 大きなドームを作る際、幅が広い方が繋ぎ合わせる距離が少なくて済みます。

 工場では、2Km程度の長さの単位のロールで製造するそうなので、ある程度の長さ(数Km単位)を注文するので

 あれば、50cmから140cmの幅で、注文に応じて下さるようです。しかし、エアドームの製作には、そんなに長さは

 使いませんし、予算もあるので、その時工場で生産している物から少量単位を分けてもらう感じになるようです。

 つくばエクスポセンターが、発注した際に購入可能な物が、80cm幅であったようです。 そこで、早速、武田産業様に

 伺いました。 今回、武田産業様で、その当時すぐに購入できたのは、74cm幅、200m長、60μm厚の物でした。

 

---------------------   2022年10月 追記 -------------------------------

このページは、2011年に作成したので、リンクが切れている所ばかりとなってしまいました。

すいません 。  m(._.)m 

その後、武田産業様は、オンラインショップでプラネタリウム用のWBWフィルムを小売りして下さっていました。

管理人が使用したものと、幅、厚さは一緒です。

ちょっとお値段はしますが、こちらを使っています・

--------------------- 2022年10月 追記 終わり -------------------------

 

 

 

 

 2.白黒白フィルムを接着する素材、道具について

  白黒白フィルムを接着する物は、当初は両面テープを使っていたそうです。しかし、しばらく使うと、剥がれてくるとの

 ことでした。(接着部が一斉に劣化するので、全体が同時にバラけてくるそうです。) そこで、現在は、シーラーという、

 熱で圧着する機械を使っているとのことでした。つくばエキスポセンターが使用したのは、武田産業様から教えて頂いた、

 ホリアキ(株)様という会社から、足踏み式シーラー圧着保持機能付きという機械を約16万円で購入したそうです。

 ホリアキ(株)様のページをみますと、富士インパルス社様の足踏みシーラーのようでした。(詳細は不明です。)

 値段も高く、個人ではちょっと購入できる価格ではありません。 両面テープで行くしかないようでした。

    どこかでシーラーが借りられれば良いですが、学校の文化祭等で予算が少ない場合は、やはり両面テープや

 梱包用テープということになると思います。 ヒゲキタさんの農業用のマルチシートの大型ドームのページに、

 テープを使った際に参考になることが、書かれています。 ヒゲキタさんのページに書かれていますが、接着の際に

 テープがちょっとはみ出すと、畳んだ際に違う所と接着したりして、大変なようです。ターボリン等に比べてビニール

 自体が耐久性が低いので、剥がす際に切れてしまうか心配です。設置の際にドームを広げる時、違う場所とくっついて

 しまっていると、修理が必要になることがあるかもしれません。それが、心配なので、低価格のシーラーを購入したいと

 思いました。

  シーラーを購入しようと、Googleで検索してみました。1番先に出ていた、はなまるシーラーさんのページを見ますと

 比較的低価格の物が販売されています。(多分、中国製だと思います。) 足踏み式でこの価格です。 シーラーが

 あれば、巨大なソーラーバルーンを作ったり、ビニールシートさえあれば好きなサイズの袋やカバーも作れます。

  今回管理人が購入予定としたのは、はなまるシーラーさんの足踏み式、45cm幅、シール巾10mmスーパー足踏み

 シールくんにしました。(10mm巾シールの物を購入しましたが、熱で圧着、一体化するので、圧着部の強度はかなり

 あるように思います。お米の袋をシールするわけではないので、多分、3mm巾の安いシーラーでも十分と

 思います。 (そちらですと、1万円台です。 駄目だったらすいません。 試した訳ではないので、無責任な事は言えませんが、・・・) 

  ターボリンの生地を買うよりは安いし、いろいろな袋やカバーを作ったり、食品を保存する際に包装のシールできる

 などの利便性をアピールし、管理人のかみさんをなんとか説得する方向で話をすすめました。 シールする距離が

 長いのでなるべく、幅が長いものを購入した方が良いと思います。 

 

 

 

 3. 送風機について

  ネットなどで、エアドームの送風器をみてみると、換気扇や扇風機を使用していることが多いようです。つくばエキスポ

 センターの出張プラネタリウムの送風機は、業務用の大型の扇風機1台を使用していました。家にある家庭用の扇風機

 を使っても良いのかもしれませんが、風量が違います。業務用の方が風量が多いです。 

  Make Tokyo Meeting に行った際に、移動プラネタリウムを出展なさっていた、ヒゲキタさん伺ったところ、家庭用の扇風機

 を3台使用しているそうです。(どのように使用していらっしゃるは、見えませんでした。) 

  富勢西小学校のお隣の県立柏高校の文化祭「黎明祭」で上映される、天文部のプラネタリウムのエアドームは、布製で

 周囲に3〜4台の扇風機を配置して、ドームを膨らませていました。

  扇風機を利用しようかと思いましたが、収納の事を考えると、結構場所を取ります。 そこで、工事用の送風機を使用して

 みようと思いました。メリットとしては、送風機の方が、小さいことです。デメリットとしては、価格や風量、騒音です。大きな

 ファンの方が、風量が多いようです。 騒音については、扇風機の方は、何dBか表示されていないので、なんとも言えま

 せんが、ネットのレビューをみていると、扇風機も業務用だと、それなりの騒音のようです。送風機もそれなりですが、騒音

 に関しては、膨らます際は最大で送風しますが、膨らんだ後の上映中等は、スライダックなどで電圧を下げ、少量の送風

 にすれば、ファンの音は気にならないことが予想されます。( 各々のプラネタリウムを見た時のファンの音の感想は、

 ヒゲキタさんは、家庭用だけあって静かでした。つくばエキスポセンターのプラネタリウムは、気にすれば、ちょっと気に

 なる程度でした。エキスポセンターのプラネタリウムも、風量はスライダック(可変トランス)などで調節するようです。 

 県立柏高校では、管理人が扇風機の前に座ったためか、最大で送風していたためか、家庭用の扇風機であっても、

 ファンの音はかなり気になりました。)  結局、空気の実験に使ったり、ソーラーバルーンを膨らませるのに役立つので

 (以前は、布団乾燥機を使っていたので、すごく時間がかかっていました)、送風機を購入する方向で考えました。

  送風機を購入するにあたり、実際にどの程度の音がするのか聞いてみたいと思い、管理人在住の柏市北部周囲の

 ホームセンターなどを回ってみました。業務用の扇風機は、置いてあるお店もありましたが、送風機を置いてるお店は、

 ロイヤルホームセンター柏店と、守谷市のジョイフル本田守谷店(農業資材館という、ジョイフルアスレチッククラブの方

 の1階においてありました。) 各々のお店には、1種類しかありませんでしたので、音の比較ができませんでした。

  実際の比較ができないので、ネットで騒音について調べてみました。業務用の扇風機については、ネットで調べてみても、

 騒音が何dBであるか、記述が無いため分かりませんでした。ネット通販のページにある、カスタマーレビューなどを見てみると、

 家庭用の扇風機に比べ風量があるので、かなりの音がするようです。 

  送風機については、ほとんどの製品に、騒音が何dBであるか記載があります。それらの数字をみてみると、ファンの直径

 にもよりますが、直径25cm程度で、76〜80dB程度あります。 80dBはどの程度か調べてみますと、電車の車内程度の

 騒音とのことでした。かなり大きな音です。また、dBは、対数となっているので、dBが4違うだけで、約1.6倍も騒音が違い

 ます。 以上の様な事から、結局、送風機で、価格と騒音、風量のバランスのとれた送風機を購入することとしました。

 

 

 

  今回のエアドーム作製に要する材料や機材のメインの物は、以上の物と思います。このほかに、入り口の前室を設ける

 ための骨組みの塩ビパイプや、その他の小物も必要ですが、近隣のホームセンターに販売されているので、その都度、

 集めていくことにしました。

 

                                                  

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