銅箔テープでパターンを作製した厚紙基板

                                     ‐‐‐ 電子工作の際に使いました。  ‐‐‐ 

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 科学クラブで、簡単な電子工作をしました。 LEDをクリスマスツリーに見立てた厚紙に差し込み、

非安定マルチバイブレーターでLEDを点滅させるという工作です。 マルチバイブレーターの回路は、

児童たちに組み立ててもらう時間が無かったため、事前に管理人が組み立てて、それを利用して

もらいました。その際に、部品をどのような物に実装するか検討しました。結局、コストや手間を考え、

銅箔テープ厚紙基板となりましたが、その際の検討事項や、方法などの記録です。

 

 

部品を実装する基板を何にするかの検討

 実際に製作したのは、下図の点線に囲まれた以外の部分です。 ( 点線部分は、ツリー側に実装しました。)

 抵抗120kΩ 2個、 電解コンデンサー33μF  2個、 NPNトランジスタ 2SC1815 2個 の 計6個の部品です。

  

  部品を基板などに取り付ける(実装する)方法は、いくつかあるようです。

 過去に見た物を列挙しますと、・・・

 

  1. 電子工作に使う 基板を使用する。(電子工作としては一般的です。)  

     a. 専用のプリント基板を作製する。  

        手間と費用がかかりますが、これが一番の方法と思います。 信頼性も高いです。

     b. 穴が格子状に空いている ユニバーサル基板に部品を取り付ける。( 1枚60円 例:こちら。)

        これが、オーソドックスだと思いますが、1つの基板を幾つかに切って使っても、

        1人あたり、 20〜30円程度になりそうです。 こちらも信頼性は高いと思います。

 

  2. ラグ板という、部品を取り付ける板を使う。 (これも、1枚 50〜60円 例: こちら。 )

         右上のハシゴ状に金属が出ているのが ラグ板です。 

        つくば科学フェスティバルで筑波大学の先生が出展してくださったラジオです。 まだ、作製していませんが、・・・。

       こちらも電子工作の選択肢としては一般的ですが、予算が思ったよりかかります。          

 

  3. 部品の足を、ネジで固定する。

      a. 部品の足に圧着端子を取り付け、 ネジで留めて固定し、配線する。 (事前の手間がかかります。)

         KEK高エネルギー研究所の一般公開で作ったラジオです。

         はんだごてを使用しなくても、電子部品が実装できるというメリットがあります。

       しかし、事前に部品の各足に圧着端子を取り付けるのは、結構大変です。

       また、ネジや圧着端子などで、思ったよりコストがかかります。

 

      b. 部品の足を直接ネジで固定する。

         

        圧着端子を使った部品もありますが、 直接固定する部品もあります。(こちらもKEKのラジオです。)

          こちらも、はんだごてを使用せずに部品が実装できます。 しかし,取り付けをする板の

        穴あけなどで、事前の準備が必要です。

 

  4. 厚紙にアルミテープを貼って配線し、部品の足をホチキスなどで止める。

      電波新聞社の電子工作の季刊誌、電子工作マガジンに記事がありました。ページはこちらです。

     ホチキスは、こちらのような 止めた針がフラットタイプのものでないと、部品の足がきちんと

     止まらないようです。 ホチキス代は高いですが、厚紙やアルミテープ代は安いです。

     事前の準備も、それほど必要ないようです。 しかし、 部品の足とアルミ面の部分が

     酸化したりすると、接触が不安定になることが予想されます。 長持ちはしないかも

     しれません。(憶測です。)

 

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  < 追記   2014年11月>

    部品の足をホチキスで止めるのではなく、導電性テープで止める方法もありました。

   粘着糊に金属粉が入れてあり、導電性の粘着剤となっており、粘着面でも導電性が保たれている

   テープを使用します。

    2014年11月の東京理科大学野田地区理大祭にて物理研究会さまが、体験教室をなさっていました。

      

    2石のマルチバイブレーターとなっています。(お見苦しいのは、管理人が不器用だからです。

   見本展示は、、大変きれいでした。) 少し、接触が悪く、動作が不安定でした。部品の足と足と

   をクロスするように上からテープで固定すると良いようです。接触が悪い場合は、さらにホチキスで

   上から止めると安定します。長期に渡る安定性はわかりませんが、手軽に安全に電子工作を

   行う方法としては良いのかもしれません。導電性テープのコストは、ちょっとお高くなるようです。

   (物理研究会さまが使用なさっていた導電性テープは、2mで680円でした。)

                                               < 追記 終わり >    

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  5. 厚紙に ハトメを固定し、そこに部品の足をはんだ付けする。  

                                ( Wiki : リベット 小さいリベットを ハトメ というそうです。 こちら。) 

      遠い昔にあった電子工作雑誌に、誠文堂新光社の「初歩のラジオ」という雑誌に

     製作記事が載っていたのを記憶しています。(現在は廃刊?休刊?しています。Wikiのページ:こちら

     記事のページのところに、ハトメの固定場所や部品の配置が印刷された厚紙が綴じ込んでありました。

     それを切り取り、ハトメを固定、印刷通りに部品をはんだ付けすると完成するという物でした。

     ハトメは100均に売っていますが、電子部品に使うには、穴が大きなものしかなく、手間も

     結構かかりそうです。

 

 

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   <  追記 2  2014年11月  >

  6.ブレッドボード 

   以前よりフレッドボードはありましたが、コストのこともあり、記載しませんでした。(管理人も今回の

  予備実験に使用しています。) 最近は、かなり小型で安価なブレッドボードがあります。科学の祭典

  などの工作教室などでも、使用されるようになりました。

      

    科学の祭典2014全国大会で、蔵前理科教室ふしぎ不思議(くらりか)さんが、出展なさった

   LEDの点滅の回路です。基本的には、2石マルチバイブレーターです。(LEDは他の部位に

     実装されています。猫の目がLEDになっていて、左右交互に光ります。ちょっと不気味でした(^_^)

   一緒に写っている単3乾電池と比べても、かなりコンパクトです。 コストは、aitendoさんで、

   2014年11月現在、55円となっています。 ちゃんと固定しておかないと、些細な力で、ワイヤーや

   部品が抜けてしまう事もありました。ブレッドボードを固定しておいても、ワイヤーを引っかけて

   抜けてしまうこともありました。 

                                                                           < 追記 2 おわり >

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 結局、コストや事前の準備を考えると、4.の 厚紙の基板をベースとし、パターンの配線は、アルミでは

はんだ付けができないので、銅箔テープを利用しようと考えました。 銅箔テープは、100均の園芸売り場に

虫よけテープとして、銅のテープが売っていますが、粘着タイプではなく、また、厚みもあるので使いませんでした。

近所の100均やホームセンターをさがしましたが、銅箔の粘着タイプのものは見当たりませんでした。

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< 追記 3 >

 その後、ロイヤルホームセンター柏店に、粘着式の銅箔テープが置いてありました。

                                 < 追記 3  おわり >

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そこで、秋葉原に出かけた際に、マルツパーツ館で、銅箔テープを買いました。 50mm幅で、長さが30mも

あります。もっと小さく、短い物で良かったのですが、他のサイズや長さの物は店頭になかったので、

ちょっと高かったですが購入しました。 (きっと、一生かかっても使いきらないのでは、 と、思います。)

 

 

 

基板の製作   

  今回作製するのは、下図のような基板です。 裏側から見ています。

  点線は、表側のパターンです。

 まずは、紙に銅箔テープを図のように貼りました。図は、基板裏面から見た図です。      

回路図を見ると、中心に交差するところがあるので、両面配線となっています。

黒い●印の所が、部品の足が入るところです。手間を省くため、1箇所に2本の部品の足が

入るところもあります。 @、A、Bは、ツリー側への配線、(+)と(−)は電池を繋ぐところです。

  14個の●印があります。 ●印の所を100均のじゅうたん用の画鋲で穴を開けました。

  ( はじめは ドリルで開けようと思ったのですが、画鋲でも簡単にあいたので、画鋲を使いました。

    板を2枚用意し、その間隙に針が下りるように針を刺すと比較的楽に刺せます。)

    基板の裏側です。 こちら側から穴をあけました。

                        (中心部のクロスする部分が、上の図と逆になっています。)

   基板の表側です。

   両面を並べています。

 

   そして、これだけ、作製しました。

 画鋲で刺して穴を開けていたのでいたので、ちょっとだけ指が痛くなりました。・・・

 手作業なので結構不揃いです。 中心のクロス部のパターンは、逆のバージョンがあります。 (^_^;)   下中央は、試験的に作った物です。

 

 

部品の実装

 部品は、以下の図のように穴に差し込み、はんだ付けをしました。

 表から部品の足を穴に入れて、裏で銅箔テープにはんだ付けします。そして、余分な足はニッパで

 切り落とします。 表側のパターンは、足を適当な長さに切って、表から銅箔にはんだ付けします。

 ( スルーホールではないので、表面に銅箔パターンがあるところは、表面からはんだ付けをしなくてはなりません。)

   トランジスタの足はこのようになってます。

  

 実際には、このような感じです。 あまりきれいではないですが、・・・

    写真は、上の図と、中止のクロス部分のパターンが逆です。

 

  表と裏を並べてみると、

   

  管理人の子供にも手伝ってもらいましたので、はんだ付けが あまりきれいでは無いです。・・・

 

  この基板を、

     このように使いました。  不良はほとんどありませんでした。

 

 

  今回、穴を開け、普通のプリント基板のように部品の足を穴に差し込んで、はんだ付けをしました。

 また、配線も、基板の表面から穴に差し入れ、裏ではんだ付けをしています。

 その方が、部品や配線を引っ張りあげても、銅箔テープが厚紙から剥がれません。

 かなりの間、使用できるのではないかと思っています。

  さらに、ニスなどを塗って仕上げると、長期間の使用にも耐えるかもしれません。

 

   電子工作教室などの際、銅箔テープの厚紙基板なら、みんなに簡単に作ってもらえそうです。

  でも、このような事をやると、科学クラブのみんなが、電子工作では厚紙基板が普通なんだと

  勘違いされないか心配です。 (^_^;) 

 

 

 

 

  今回のクラブ活動が終わったあとで、 事前にネットで、厚紙基板の事を調べていない事に

 気付きました。早速、ネットで、「 厚紙 銅箔 基板 」 で、検索してみると、 

 ふにゃらさんの銅箔テープ基板のページがヒットしました。

 やはり、みなさんやっておられるのですね。 ・・・

  今回は、銅箔を貼っただけでなく、さらに穴を開けたということで・・・。

  ちょっとだけ進歩させたということで、お願いします。    m ( _ _ ) m

 

 

 

 

 

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