カラーフィルター 色セロファン − 光や色の実験に使いました −
光や色の実験に良く出てくるのが、光の色の合成です。
光の3原色は、赤、緑、青 なので、それぞれの色を合成し、どんな色になるか実験をします。
懐中電灯に色セロファンをかけて、それぞれの色を合成すると、どんな色になるなるかという
定番の実験は、いろいろな本やホームページに出てきます。
当科学クラブでも、光の実験を行いました。その時に予備実験をしています。
写真では色がちょっと変ですが、左から 赤 緑 青のセロファンです。
文房具屋さんで色セロファンを購入し、こちらで紹介した、照明装置の前面にセロファンを取り付け、
早速実験をしました。どのような結果になるのかは、本などで知っていましたが、実際には試したことは
ありませんでした。
赤+青→マゼンタ 赤+緑→黄 緑+青→ シアン というように、なるはずです。
しかし、実際にやってみると、うまくいかないのです。赤+青→マゼンタは、うまくいくのですが、他の色は
うまくいきませんでした。照明の明るさを変えてみても駄目でした。色セロファンがいけないのか、光源がいけないのか
はっきりしませんでした。
本実験の期日が迫ってきたこともあり、近所の文房具屋さんで、他のメーカーの色セロファンを探しましたが、
どこも同じメーカーの物でした。 何か良いものはないか考えていたところ、 天体撮影の3色分解による撮影法が
あることを思い出しました。( 管理人は、天体が好きで天体写真も撮ったりします。万年ビギナーですが・・・。)
天体撮影用の冷却CCDカメラは、天体の撮影をする際に、RGBの赤緑青のフィルターでそれぞれ撮影し、
あとでコンピューターの中でRGBの合成をおこない、カラーの写真を作製します。この原理に基づけば、
きっと色合成もうまくいくはずです。 そこで、フィルターを探していたところ、富士フィルムの光学フィルターが、
カメラ屋さんにありました。 ( 冷却CCDカメラは高価なので、残念ながら管理人は持っていません。・・・)
どれがいいのか情報をさがしていたところ、富士フィルムのホームページにありました。 こちらのページの
写真撮影用フィルターハンドブック(PDFファイルで、6.1Mあります。)に解説があります。このハンドブックの
中の4ページにある( ハンドブックの中のページの4ページ目です。 PDFのページとしては6ページ目です。)
PDF3色分解シリーズが目的のものです。これならば、理論的に、上記のような色合成ができるはずです。
ナロータイプとブロードタイプがありましたが、撮影などにも使えそうなので、ナロータイプの方にしました。
また、単色光下では、色鉛筆や色のつたものは何色に見えるか等の実験の際も、ナロータイプの方が、
色情報が少なくなるので、難しくなり面白そうです。このような理由からナロータイプの、3色を購入してみました。
( BPN-45、 BPN−53、 SC−62 の 3つです。 BPNの意味は、バンド・パス・ナローの略だそうです。
SCの意味は、シャープ・カットの略だそうです。)
ビックカメラ柏店に在庫はなかったので、ヨドバシ・ドット・コムで、購入しました。
それぞれのフィルターです。
これらのフィルターを、他のページで紹介している照明の前に置いて実験してみると、文房具屋の色セロファンより
もっとしっかりした色合いが出ました。( しかし、赤+緑→黄 だけが いまいちでした。 )
フィルターを重ねてみると、ナローバンドと言うだけあって、重なり合った部分は、光はほとんど見えません。
( 矢印は、2枚重なりあているところ。 白矢印は、3枚が重なり合っているところです。光は漏れてきません。)
先のハンドブックの9ページや17ページの透過光の波長に対する透過率のグラフを見るとうなずけます。
今度は、透過光ではなく、紙に置いてみました。 同様に重なり合った部分は、真っ黒です。
以前から、シアン、マゼンタ、黄のフィルターも減色法の実験で使うため、入手したいと思っていました。
近隣の文房具屋さんやホームセンターなどでは見つかりませんでした。 そのような時に、茨城自然博物館の
「そうだ!海だ!海藻だ!」という企画展で、葉緑体の色素の説明で、黄色やマゼンタ等のフィルターを使っていました。
学芸員の先生に伺ったところ、前任者の先生が入手したので、すぐに分からないとのことでした。分かったら
メールを下さることになっていたのですが、その後、連絡を頂けなかったので、お分かりにならなかったようです。
また、有明のパナソニックセンターで、リスーピアの隣の図書コーナーでやっていた、紙コップと回折格子を使って、
分光器のような物を製作したのですが、その後の実験で、シアン、マゼンタ、黄のフィルターが使用されていました。
ここでも担当者の方に伺ったのですが、はっきりは分からないが、多分、東急ハンズと思いますとのことでした。
柏にも東急ハンズがあるのですが、柏の東急ハンズには置いていないようでした。
このようなこともあって、先のフィルター入手後に、今度は、反射光用の CMY(シアン、マゼンタ、黄)も
買ってしまいました。ハンドブックの4ページにある、カラーペーパー原色焼付法用フィルターです。
( カラーのネガから、カラーネガ用の印画紙にプリントする際に使うフィルターのようです。)
( シアンが SP-5、 マゼンタが SP-4、 黄が SC-50 です。)
これも、反射光で重ね合わせてみると、・・・
シアン +マゼンタ →青(ちょっと紫より?)
マゼンタ + 黄 →赤
シアン + 黄 → 緑 となっていました。
理論通りなっているので、良かったです。
( 白矢印の中心部は、ほぼ黒です。)
今後の減色法の実験の際に、利用しようと思います。
しかし、ちょっと、値段がするのが難点です。(75mm角でも、1枚1000円前後します。・・・)
最近、100均でも、色セロファンを目にするようになりました。
5色入りです。 赤緑青に加え、ピンク(マゼンタ)、黄が入っています。
あと、水色(シアン)があれば、完璧だったのですが、・・・。
今度、時間があったら、色合成をしてみます。
科学クラブ 日記