ソーラークッカー  

                                                      - パラボラアンテナを利用した自作です。  -

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    パラボラアンテナに、アルミを貼りました。

 

   2011年度の実験のリクエストで、ソーラークッカーの実験がありました。いろいろと、事前の準備をしましたが、

  当日の天候が悪く、結局、実験ができませんでした。 その後、柏市放課後子ども教室で、一部実験を行っています。

  事前の準備をした中で、ソーラークッカーを何台か製作しました。こちらは、パラボラアンテナを利用したものです。

 

 

   以前、海外の衛星を受診していた、直径1.2mのパラボラアンテナです。 オフセット型と言って、

  放物面の中心部ではなく、周囲を切り取った形をしていて、焦点は、中心ではなく、周囲に少しずれています。

  鍋などによる中央遮蔽はありませんが、焦点が中心からずれているので、焦点を合わせにくいと思われます。

   (普通の家には、こんな物無いですよね (^_^;) 

 

   このパラボラアンテナに、災害時の保温用アルミ蒸着フィルムを貼りつけました。

  (最近は、100均でも売っています。)

  

   両面テープで、順々に貼りつけていきます。

  

 

   無理やり、局面に貼りつけているので、ちょっと皺が気になります。

  

 

  晴れた日に、実験をしてみました。 鍋を吊るす、適当な物が見当たらなったので、三脚を二つ用意し、

 物干し竿を渡しました。

  

 

   そして、S字フックで、鍋を吊るしました。(生卵を入れて調理してみます。)

  

 

  焦点後方から観察しましたが、フィルム材の皺のため、光が散乱してしまい、あまり焦点に光が

 集まっていないようでした。 (卵が 3個入っています。)

  

 

  熱が逃げないように、透明な袋を掛けています。(風は強かったです。)

  

  しかし、ゆで卵は うまくできませんでした。 温度は、50〜60度ぐらいに上がったのですが、逃げた熱が

 多かったのかもしれません。 原因として、風が強かった(熱が逃げた)、完全な晴天では無かった、フィルム材の

 皺により光が散乱した、等が考えられました。

 

  

  光の散乱による影響は、かなり大きいと思われました。 このため、今度は、ホームセンターで、

 薄いアルミ板を購入し、貼り替えてみました。

  

 

   皺にならないように、アルミに切り込みを入れて、加工していきました。手を切らないように、軍手を装着しています。

  

 

  アルミを貼り終わり、後日、再度、トライしてみました。

  

   

  アルミ板に貼り替えましたが、焦点にあまり光が集まっていません。

  

  焦点後方から見ていますが、やはり、眩しいです。と、言う事は、焦点に光が集まらず、(鍋に集まらず)

  光が有効に集められていないことになります。

  

 

   温度計を入れてみると、50度後半です。

  

 

  1時間程度、加熱しました。 殻が割れて、白身が飛び出していました。

  

  

  茹で卵には、なっているようです。

   

 

   残念ながら、期待していたほどには、温度が上がりませんでした。

 

  原因を考えたのですが、このパラボラアンテナは、オフセット型と言う事を、忘れていました。

 オフセット型は、放物面の周囲を切り取った形のため、アンテナを下に置いていたのでは、

 収差が著しく、光が1点に集まりにくいです。そのため、鍋の後方から見た際に、光が後方に

 漏れていたようです。そこで、パラボラアンテナの後方を持ち上げ、鍋に焦点が集まるようにしました。

  

  

  

  

   しばらく経つと、ガラスの蓋の内側には、水滴がたくさん着きました。

  温度を調べてみると、100度近くありました。

  

  

  その後、沸騰し、湯気がたってきました。

   

  

   その後、透明な袋をかけて置きました。 空焚き状態となっていました。温度は、115度ぐらいです。

  

  温度計が、壊れている可能性もあるので、他の温度計でも測って見ました。

  袋を開けた際に、熱が逃げたと思いますが、100度以上ありました。

  

  

  オフセットのパラボラアンテナの場合は、収差が無いように、きちんと調整をしなければ、集光が

 うまくいかないことが、良く分かりました。

   市販品のソーラークッカーは、もっとF値(焦点距離÷直径、小さい値ほど明るい、集まった光が明るい)が

 短く出来ているようです。そのため、このソーラークッカーは、焦点距離が長めなので、集まった光は

 市販品に比べて、暗いようです。また、収差もあるので、あまり、効率は良くないようでした。

  また、焦点距離が長めなので、頻回に調整をしないといけません。 設置するのも大がかりなので、

 実験には良いですが、実用的ではないようでした。

  以下のように、他のソーラークッカーと組み合わせると、頻回に調整しなくても良いようでした。

 今後、研究してみます。

   (タンデム方式です。)

 

  

 

  

  < 追記 >

   この実験をした際は、外の気温はかなり低かったです。

   

  物置小屋の裏手の水草育成の容器は、昼間でも分厚い氷が張ったままでした。また、北側には、まだ、雪が残っていました。

 鍋の中は100度以上、外は0度前後と、温度のコントラストがあったので、おもしろいと思いました。・・・

 

 

 

 

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