バンデグラフ静電起電機 制作記 その4
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(その4) 材料を集めます。(2)
材料集めの続きです。
5. モーターです。
岩田先生の資料には、扇風機のモーターを使用すると良いとのことでした。 しかし、製作時期が冬だった
こともあり、扇風機はゴミ捨て場にもありません。(勝手に資源ごみを持っていくと罰せられるのかもしれませんが・・・。(^_^;) )
管理人の家には、首のところが壊れていて、すぐに下を向いてしまう古い扇風機がありました。 それでも
首振りなどはできるので、現役でした。 使える扇風機を壊してしまうのも何ですし、また、モーターがかなり
大きいので、他の物を用意することにしました。はじめに、模型屋さんに行きました。柏のヤマモト模型店さんです。
はじめは、模型用のマブチモーターで、タミヤのギヤボックスなどで、ドライブすれば良いかと思っていました。
しかし、模型用の物では、ギヤがプラスティック製だったり、モーターも小さく非力なようでした。 ラジコンカー用の
モーターやギヤボックスならトルクもありそうで使えそうですが、回転数が高いのと値段が高いので見送りました。
そこで、次は秋葉原のお店をあたってみることとしました。
その後、他の用事のついでに東京に行った際に、秋葉原に寄っていくつかのお店を探しました。
コスト削減のためベアリングは使わずに組もうと思っていたので、回転数は、せいぜい1000回転ぐらいで、・・・
程度は考えていたのですが、ACモーターかDCモーターかなど、どのようなモーターにするか具体的には
決めていませんでした。 ( 資料によると、アクリルや塩ビの円柱の回転が3000〜4000回転程度が、
良いようですが、ベアリング無しでは軸の摩耗がはげしいと思われ、1000回転程度で考えていました。)
秋葉原のジャンク屋さん的なお店でモーターを探しました。 国際ラジオさん、 鈴商さん、
日米無線電機商会さんなどを回りました。 この中で、日米無線電機商会さんが 一番モーターの種類が多かったです。
また、そこでは、おやじさんにいろいろ相談に乗って頂けたので、ちょっと値段はしましたが、 オリエンタルモーターの
INDUCTION MOTOR を購入しました。 ギアが入っており、回転数は180回転ですが、これは、ギヤやプーリーなどで、
あとから変えられます。大きさも手ごろで、トルクもありそうですし、また、他の実験にも流用できそうです。
結線図は、以下のようです。
4本のコードを図のように結線します。コンデンサーは付属しています。今回は1方向にしか回さないので、スイッチは付けていません。
購入の際に、いろいろ相談に乗っていただいたり、実際にどう繋ぐかなど、お店の中で、実演していただきました。
どうも有難うございました。 ( ついでに、他のDCモーターも購入しました。)
その後、家に帰ってからギヤをはずしてみました。 すると、ギヤは、正確ではないですが、約 6:1に減速
しているようでした。 ですので、ギヤをはずせば、180×6=1080 なので、約1000回転のモーターが得られました。
( モーターは、回転さえすれば良いので、トルクと希望の回転数が得られれば、何でも良いと思います。)
また、このモーターをどのようにマウントし、バンデグラフの軸をどのようにドライブするか悩みました。
次に出てきますが、 支柱などを支える下部の箱との兼ね合いもあり、結局、プーリー、ゴムベルト方式としました。
6. 支柱下部のボックスなどです。
支柱となる塩ビパイプ や モーターをどのようにマウントするかの部品です。 ( 下部の箱のような部分 )
岩田先生の資料「静電発生装置「バンデ君」」や他の方の資料などには、支柱の下部はボックスを用意し、
そこにモーターを入れ、モーターの軸直結で、下部ローラーを回転させています。 管理人もボックスを作ろうと、
透明なアクリル板を購入しました。 しかし、アクリルを切ったりするだけでも大変だったので、挫折しました。
そこで、Mark Rehorst さんの製作記事 Van de Graaff Generator の記事のように、木のボックスを
作ろうとも思いました。 こちらもモーターの軸直結でドライブしています。 管理人が購入したのは、
ACモーターなので、電圧を変えても、ほとんど回転数は変わりません。 このため、後々、ベアリングなどを
使って改造した際に、回転数を上げられるように、ギアかプーリーを使って回転を伝えたいと思いました。
また、オプションとして、手動でも使えるようにしてみたいと思いました。 それには、クラッチなどを付けなければ
いけないため、簡単にはいかないようでした。また、静電気の実験を行う日まで、時間がなかったため、
簡単な方法を選択しました。 結局、下部は、塩ビパイプのソケット(継手)を利用し、下部ローラーの軸は、
支柱から外に出し、回転はプーリーを使って伝達することにしました。
塩ビパイプ(100mm)サイズのソケット(継手)です。 同じ径の継ぎ足し用です。
この継手を、L字金具で板に固定することにしました。
そして、モーターは、0.5mm厚のアルミ板を適当な大きさに切って、板に木ネジで固定することとしました。
(安直ですが・・・・ (^_^;) )
プーリーは、タミヤのプーリーを当所使おうかと思いましたが、樹脂製で強度が不安だったので、
千石電商で、ロボット製作用のアルミプーリーとゴムベルトを購入しました。 アルミプーリーは、
径20mm 軸径6mm の物を購入、 プーリーベルトは、6mm 450mmの物 を購入しました。
回転数を後から変えられるように、プーリーは径の違う物を幾つか購入しました。
( 追記 ) 後に、モーター側のプーリーを径40mmにして、回転軸の回転をアップしています。
しかし、ガラガラという騒音が増えただけで、放電距離はほとんど伸びませんでした。
また、モーターの軸径が、7.2mm程度でしたので、プーリーの軸を広げる必要があります。
7. その他の部品です。
大きな部分が決定したので、後は、細かい部品です。
a. 集電電極用のアルミ板 1mm厚の物を用意しました。
b. ローラー(円柱)の軸 径6mmの長いボルトを用意しました。(軸受に使うボビンの内径が6mmなので)
c. モーターを固定するアルミ板 0.5mmの物を用意
d. ネジなど なべネジや木ネジ、ナット、袋ナットなど
e. 内部の配線用の線材や 陸軍端子 、ACコードなど
f. 軸受に 100均の ポリカーボネイト製のミシン用のボビン
これを の様に切ります。
そして、 これを軸受けとして使います。
(中心のパイプ部の穴は内径約6mm(ノギスで測ると、6.3mmでした)、外径は約8mmです。
軸を通す部分に、8mmの穴を開け、方側の板を切り落としたボビンを差し入れて軸受とし、
そのボビン内に6mmのボルトをシャフト(軸)として通しました。
これは、 智恵(さん)の楽しい実験教室 のアイデアを使わせて頂きました。 )
g. 下部の板 ( 端材を利用 )
h. L字金具 塩ビの継手と下部の板の固定
i . モーターなどを固定する、0.5mm厚のアルミ板
j. 回転部分を覆う、プラ板などの板
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< 追記 4 >
当初は上記の通り、軸受に百均のボビンを使用していました。音が結構うるさいので、その後、軸受けを
ベアリングに変更しました。
軸受けをベアリングに変更すると、やはり音は静かになりました。ボビンの軸受けの時は、
100VMaxで運転するとかなりの騒音でした。そのため、スライダック(可変トランス)で電圧を落とし、
60〜70V程度で運転していました。ベアリングに変更してからも騒音はありますが、ボビンの時ほど
ではないため、スライダックを使わなくなりました。やはり、コストが許せば、ベアリングにした方が
良いと思います。
< 追記 4 おわり >
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部品は、概ね以上です。(他に細かいものはあるかもしれませんが。・・・)
図面などを引いてから作製したわけでないので、組み立てながら、その都度部品を集めて行きました。
機械工作は、技術も知識もないので、もっと良い方法や、良い部品があるのかもしれません。
そして、いよいよ組み立てです。
集めた材料をもとに、以下の図のような物を組み立てます。
概略としては、上下に帯電列に差があるローラー(塩化ビニルとアクリル)が、ゴムベルトで連動して回転し、
上下各々のローラー近くに、集電電極があり、そこで帯電した電気を集めます。 上部の集電電極は、
球状の上部の電極に電線で接続されており、下部との電圧差を生じます。 動力は、手動やモーターなどで
回転を与えますが、今回は、モーターを使います。 それでは、組み立てます。
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