ボルタの電堆 ( ボルタのでんたいです。 電池の実験に使用しました。)
- 柏市夏休み放課後子ども教室の際にも使用しました。 -
- 電池の実験の際に、ボルタの電堆を再現してみました。-
管理人は、以前より電池の実験を行いたいと思っていました。 少しずつ情報を集めていましたが、
ボルタの電堆も電池の歴史を語る上で外せないと思いました。このため、ボルタの電堆を再現して
みました。
ネットで検索してみると、いくつもの電堆が出てきます。どれが本物なの分かりにくいですが、
こちらの Volta
Temple に展示してあるボルタの電堆がオリジナルと思われました。
基本的な構造は、支柱に支えられた上下に二枚の木製の円盤があります。(木製の円盤は装飾が
施されていることもあるようです。) この間に、銅板(銀板)-食塩水のしみた布(紙)−亜鉛を一つの
電池の構成単位として、電池をいくつも重ねてあり、これを上から押さえてあるような構造です(電池の
直列つなぎ)。支柱は、3本の場合と4本の場合があるようですが、オリジナルは4本のようでした。
これらの写真を参考に、ホームセンターに行き、木製の円板2枚、支柱用の6mmの太さの木製の棒、
電極となる銅板や亜鉛板、装飾用の足などを購入しました。食塩水を浸す物は、当初はキッチン
ペーパーを使用していましたが、繰り返し使うと痛みが激しいため、フェルトを使用しました。
電極ですが、当初のオリジナルは陽極が銀となっているようです。しかし、銀は高価なため銅としています。
また、陽極の銅板や陰極の亜鉛板は、オリジナルはある程度の厚みがあるようですが、数ミリ程度の厚みの
ある円板はかなり値段が高いので、0.3o〜0.5o程度の厚みの板を丸く切り抜いて使用しました。
オリジナルの電極は、下側が銅となっていたようです。このため、下側が陽極(+)となります。
−左から陰極の亜鉛板、フェルト、陽極の銅板。−
写真を見ると、昔は電線では無く、銅箔での配線の様でしたので、銅箔の配線としてみました。
金属板を上方から抑える部分は真鍮のパイプと円板で作りました。また、組み立て後、
木部を塗装し雰囲気を出しました。
−写真の金属は、ダミーの鉛の錘です。−
上下の木製の円板の装飾が無いのでシンプルですが、それなりに雰囲気は出たとおもいます。
銅や亜鉛板が薄いため、十数枚重ねても見栄えがしないため、普段の展示では釣り具屋さんで
入手した鉛製の錘(円板)を重ねておいてあります。(実際の実験では取り替えます。)
実際に、銅板−食塩水に浸したフェルト−亜鉛板 の順に繰り返し重ねて置いてみました。
電圧計を繋いで電圧を確認すると電圧が発生していますが、かなり電圧が低いです。これは、
フェルトからしみ出した食塩水が銅と亜鉛をショートしてしまい、電圧が上がらなかったようです。
フェルトへの食塩水のしみ込み具合は、なかなか調整が難しいです。
科学クラブで実際の実験の際に使用してみました。
各自に、銅板、フェルト、亜鉛板を1個ずつ渡します。
各自、食塩水にフェルトを浸してもらい、下から 銅板−食塩水を浸したフェルト
−亜鉛板の順に重ねていってもらいます。
この時、1ユニットでも起電することも確認してもらいました。
はたして電気が起きるでしょうか。
電圧計を当てると、電気が起きていることが分かります。
電子オルゴールが、はっきり鳴るのが確認できました。
実験を何回か繰り返していると、電圧が出にくいことがありました。
原因としては、以下の点が考えられました。
1.食塩水の濃度 ー> なるべく飽和食塩水とした方が、安定して起電しました。
2.しみ出た食塩水による電極間のショート ー> しみ出た食塩水を拭くようにします。
3.亜鉛板の腐食 ー> 繰り返すと、亜鉛板が腐食してきます。このため、表面が変化したら
やすり等で磨くようにする。
このような点を改善すると起電しやすくなりました。
今後も電池の実験の際に、みんなで実験をしていこうと思います。
千葉県柏市立富勢西小学校 科学クラブ 日記