ペルチェ素子 霧箱 (製作記)

                                  - ペルチェ素子を使った霧箱の製作記です。 -

  ホーム > 機器・材料一覧 > ペルチェ素子 霧箱 製作記

     
   
- 冷却温度を測定しています。 - 

 

 管理人は、以前より放射線の実験に興味があり、科学クラブでも放射線の実験を行っていました。
ガイガーカウンターを使って放射線をカウントしたりしても、目に見えないので、今一つピンときません。
その点、霧箱は放射線の軌跡が可視化されるので、小学生も興味を持ってくれます。

 科学クラブでの過去の霧箱実験の際は、ドライアイスを使用する霧箱を使用していました。
こちらの霧箱は事前にドライアイスや液体窒素を用意しなければなりません。科学クラブでは、
コストをかけられないので、管理人の家で加入している生協の方に事前に相談し、ドライアイスを
分けてもらっていました。しかし、保存方法やその日の気温によって、ドライアイスが昇華してしまい、
少量しか残らないこともありました。CO2のボンベ(通称ミドボン:緑のボンベ)も所持しておりますが、
1回のCO2充填で数回は実演できますが、1回の充填で約4000円かかるので、コストを考えると
頻回な使用はできません。このため、以前よりドライアイス不要のペルチェ素子を使った霧箱には
興味がありました。

 

 

情報収集編

霧箱について、ネットを検索すると、いくつか情報が出てきます。

いつも通販を利用させて頂いている、Narikaさんからは、ドライアイスを使用せずに放射線の軌跡が
観察できる霧箱が以前より販売されていました。
 小型ペルチェ霧箱 SML-01      →  氷水を使う霧箱です。 75,600円です。
 ペルチェ霧箱 Mistline ST(標準型)  →  氷水もドライアイスも不要です。でも、777,600円です。 
                           以前、サイボックスさんにデモ機がありました。
( 値段は、いずれも高価なものなのでず。Narikaさんに伺った際は、いつもデモ機に見入っていました。)

 

 国立科学博物館地球館地下3階や日本科学未来館5階には、巨大な霧箱がありました。
博物館に行った際は、かならず見に行っていました。科博では、地下3階なのに宇宙線が
飛んでくるのが、何だか不思議に思えました。こちらの巨大な霧箱は、株式会社ラド様
製品の様でした。お値段は、数百万円と高価です。冷却装置は、ペルチェ素子ではなく、
冷凍機を使用しておられるようです。このため、巨大な面が冷却できるようです。また、
近くで装置をみると、アルコールを蒸発させるヒーターと思われる線が配置してあったり、
長時間安定して観察できる製品としての工夫があるようでした。
(係りの人に伺いましたが、アルコールを蒸発させる部位と、過飽和の部位の温度差は、60度くらい
あるそうです。過飽和層は、-30度〜-20度と思われるので、アルコールを加温するのは、60度を足すと
+30度〜+40度ということになります。このように温度差を設けることにより、より厚い過飽和層が形成され、
とても見やすい放射線の軌跡が観察されるようでした。また、通電により発熱するようにガラス面に伝導性の
樹脂が貼ってあり、室温よりガラス面温度を高くすることにより、曇らないようにしてあるようでした。)


 製品を購入すると高いので、自作をしようと少々実験をしたことがあります。(2011年) 
ペルチェ素子2枚を重ね合わせ、アルミのヒートシンクをファンで空冷しました。初めは冷えるのですが、
すぐに温度が上昇してしまいました。その後、ヒートシンク側の1枚のペルチェ素子が焼き切れました。・・・(^_^;)
当時はネット上に情報が出始めた頃で、情報は少なかったです。ペルチェ素子を使った霧箱の情報が
出始めた頃でした。熱伝導率や熱抵抗も分からずに、やみくもに実験をしたため、ペルチェ素子を壊した
こともありました。このため、その後は実験を放置していました。・・・

 その後、ネットでは、こちらpitchblendeさんの報告が気になっていました。管理人の知る限りでは、
空冷CPUクーラーとペルチェ素子を使った霧箱の報告は、国内では一番早かったと記憶しています。
管理人は、CPUクーラーを使うという発想は全くありませんでした。この記事を見た後で、秋葉原に
出かけた際に、安い空冷CPUクーラーがショップに並ぶと、ちょこちょこ買ってきておきました。

 

 管理人は手作り科学館をテーマに活動を行っているので、手作り関連の本はいつも気にしています。
本屋に行った際に以下の本に霧箱の製作記事がありましたので、購入しました。
理論が分かる 熱と分子・原子の手作り実験」 川村 康文 先生 著 オーム社 に ペルチェ素子を
使った記事が書かれていました。こちらの記述は、氷水を使って冷却していました。こちらもドライアイスは
不要なので、製作してみたいと思っていました。
(こちらの本のシリーズは、全部持っています。手作りでいろいろな教具の作り方を提示して下さっており、
 とても参考になるシリーズ本です。)

 2016年夏 Make Faire Tokyo 2106 を見学しました。 その際に、みら太様は、霧箱
出展なさっていました。水冷式の冷却装置で冷却なさっていました。放射線の軌跡が
安定して観察できました。自分の技術で対応可能か分かりませんでしたが、是非、作って
見たいと思い、製作意欲が湧きました。

 

 ネットで、 “ Peltier device “, “ Cloud chamber “ で検索すると、かなりの情報が得られます。
(ここ4、5年でかなりの情報が得られるようになりました。)
 

  ペルチェ素子を使った霧箱を大まかに分類すると、・・・ (あくまで、管理人の個人的見解です。)

 

 

メリット

デメリット

空冷式

CPUクーラー

工作が比較的容易

水冷に比べて、コンパクト。

空冷式CPUクーラーが余っていれば利用できる。 新規に購入しても、3千円台から購入できる。(ファンは附属していることが多い)
<ヒートパイプがキーとなっていると思われます。>

氷水、寒剤、ドライアイスを用意する必要が無い。  

<最近は、こちらの方式の記述が一番多かったようです。>

<pitchblendeさんの報告です。管理人の知る限りでは、このページが、この方式では一番国内では早い報告と思われます。>


<大阪府立大学 秋吉先生の報告です。こちらは、ペルチェ素子が容器内に直接露出するタイプです。>

ペルチェ素子が2枚必要

CPUクーラーを逆さにして使うので、放熱が不安?(ネットの情報では安定しているようです。水冷式に比べて冷却能力は劣る? )

追記:管理人はこの方式を3台作りましたが、
 特に問題なく動作していました。)
 

非CPUクーラー
(放熱機)

自分の材料(放熱機)があれば生かせる。

(ヒートパイプを使用すれば高性能。CPUクーラーと同じ原理。

加工が必要(自分で、放熱の設計を正しく行わないとペルチェ素子が破損。)

大きな放熱機が必要。

ファンを別途用意する必要がある。

水冷式

CPUクーラー

工作が比較的容易(水冷式CPUクーラーが余っていれば利用できる。)

氷水、ドライアイスを用意する必要が無い。

空冷式CPUクーラーに比べ冷却能力が高い。銅板を利用すれば、ペルチェ素子より大きな冷却面を冷却できる。
 

<こちらの動画では水冷式です。>

新規の購入ではCPUクーラーが高価。水冷式クーラーの知識が必要。(接続等)

ポンプが故障するリスク。  簡易水冷式は、空冷式に比べて寿命が短い。(冷却液の補充が困難)

空冷式に比べて、若干場所を占有する。
(ラジエーターとヘッドが別。)

非CPUクーラー
(放熱機)

(水冷循環式,・チャンバーから離れた位置に冷却装置があるタイプ。)
冷却装置を高性能にできる。

<みら太さんの水冷式はこの方式のようです。>
 

ラジエーターを使ったタイプでは、本格的CPUクーラーと同様の部品で作製可能。
(手元に部品があれば転用できる)


水、氷が必要。
水や冷却液を循環させるポンプが必要。
ポンプ故障のリスク。


本格的なクーラーでは、部品の知識が必要でコストがかかる。(ポンプ、ラジエーター、リザーバー、ヘッド、冷却液等)
循環液がコケとの戦いと記述しているページもあった。)

(非循環式・ チャンバーの下部に冷却する氷水がある装置。)
放熱と断熱をしっかり行えば、ペルチェ素子が1枚で済む。

<川村先生の方式はこの方式のようです。>
<間所先生の記述もこのタイプです。>
水、氷が必要。 寒剤(塩化カルシウム、食塩等)が必要なこともある。

水の攪拌が必要。(水周りの防水、水中部分の工作、水中モーター等の利用。)
水回りの工作が必要。

 <他の装置>
1.< 高電圧装置 > (塩ビパイプ等の静電気でも除去可能)
   チャンバー内に高電圧をかけて、塵を取り除き β線を観察しやすくする装置。
   冷陰極管等の高電圧発生器具の電圧を、コッククロフト・ウォルトン回路で昇圧し、
   2500V程度の電圧をチャンバー内にかけると、雑イオンの除去が行われ、
   β線の観察が行い易いそうでず。   

2.< 上部アルコールの蒸発を促す加熱装置 >
   電熱線を使って、アルコールを加熱し、蒸発させることにより、アルコールの循環がおきるため
   安定して長時間観察できるようになる。(下部では冷却され過飽和となっている。)

   上部で加温されアルコールが蒸発する。(紙やフェルトに浸透させると蒸発しやすくする)
   →蒸発したアルコールが下部で冷却され過飽和となる。(放射線の軌跡が見える。)
   →アルコールが液体となり下部に溜まる。 → 液体のアルコールを紙やフェルトで浸透させ上部に吸い上げる。
   →吸い上げられたアルコールが上部で加温されアルコールが蒸発 →  を繰り返すと、アルコールが循環するので
   長時間安定して観察ができるようです。 


   蒸発させる部位(上部温度)と過飽和(下部温度)の温度差が、40〜50度程度と記述している
   ページがありました。また、上記の通り日本科学未来館にある霧箱の温度差は、60度程度では、
   とのことです。
      
      その後、こちらのページ(久留米工業高等専門学校)にペルチェ素子(下部温度)とアルコール
   蒸発槽(上部温度)についての記述があるのを知りました。それによると、冷却面の温度が-30
   〜-20度の時に、蒸発槽の温度が30〜50度程度が観察頻度が高いそうです。 また、
   (1)上部温度を上げることにより、下部温度がそれ程低くなくても観察可能。
   (2)上部温度が低い場合は、霧箱の感度は底面の温度で決まる。  と、記述がありました。
  
   これによると、下部温度が-30〜-20度程度で、上部温度が30〜50度程度が感度が良いようです。
   未来館で係りの方が教えて下さった内容の通りでした。


3.< チャンバー上部が曇らないように加熱する装置 >
   チャンバー内の下部は低温のため、チャンバー外壁が雲ってします。目的部を加熱することにより
   曇りを防止して長時間の観察ができるようになります。外気温より少し高い程度で良いので、
   それ程高温にする必要は無いです。ヒーター線を設置したり、通電性のフィルム材をガラス等に貼って
   温度を上げると曇らなくなります。

これらのオプションは、実装することによって、より高性能で長時間観察が可能となるようです。
今後、装備していきたいと思いました。

 

 

製作編

 いろいろ検討しましましたが、格安の空冷CPUクーラーを買い集めしていたこともあり、また、詳細に
作り方の情報を詳細に公開して下さっている、大阪府立大学 秋吉先生の方式で製作することとしました。
( 詳細はこちら)をご参照ください。

 材料や製作方法は、秋吉先生の情報をそのまま参考にしています。材料や組み立て方は、そちらを
ご参照下さい。 主な材料は、空冷式CPUクーラー、ペルチェ素子2枚、100均ディスプレーボックス、
PC電源、黒い塗料、紫外線硬化樹脂(エポキシ樹脂でも可)、LEDライト、隙間テープ、エチルアルコール
(手指消毒用アルコールでも可)、放射線源(マントルやラジウムセラミックボール等)、熱伝導グリスなどです。

 

 ペルチェ素子は、秋月電子で購入した、こちらの4cm角、8Aタイプの物を使用しました。
数年前に購入してあったペルチェ素子は、1枚750円でした。現在は、950円と値上がりしています。(T_T)
1台につき2枚必要です。 下記のCPUクーラー忍者3の冷却面は4cm角でしたので、4cm角としています。
( 今回霧箱に転用したIntel製?の冷却面は3cm角だったので、そちらは3cm角の物を使いました。
 水冷式ならば、冷却面が6cm角なので、大きな冷却面となります。)
 
上部ペルチェに5V 、下部ペルチェには12V をかけます。管理人が計測した際は、5Vで約2A、12Vで約4A
流れていました。

 

 CPUクーラーです。 管理人が過去に購入していたのは、忍者3(NINJA3B)というCPUクーラーです。
   3000円台後半の価格であったと記憶しています。
 
他に、Intel製?のCPUクーラーも家に眠っていましたので利用しました。
 (こちらは、PCに使おうと思っていましたが霧箱に転用しました。)

 100均コレクションボックスの底面は、くり抜かなくても大丈夫な様ですが、より冷却性能を高めるため
 底面を各々のペルチェ素子のサイズに合わせてくり抜き、秋吉先生の記述の通り、100均の紫外線樹脂で
 固めました。(カッターの刃をレンジの火で熱してから切って穴を開けました。臭いですけど楽に切りあけられます。)
 -写真は、ボックス底面に固定用ネジ穴の穴を開けています。-
 固定の際は、2枚目のペルチェと接する面(下面)に樹脂がはみ出さない様に注意しましょう。
 はみ出すと、下部ペルチェとの接触が不良となり、熱伝導が低下します。
 また、どちらが冷却面か調べてから固定しましょう。
 (もし、裏表を間違って固定しても、赤黒を逆に接続すれば大丈夫ですよね。)

  雑イオン除去用の高電圧をかけるための銅箔テープを貼りました。
   

  表面に艶消し黒の塗料をを吹き付けました。
   - 一番左は、3cm角のです。 -
 アルコールで浸食されるので、ウレタン系か高耐久の塗料を使うように記述がありました。
 管理人の近くのホームセンターには、ウレタン系のスプレーが置いてなかったので、高耐久性の
 艶消し黒を吹き付けました。(それでも、少しは浸食されました。)

 コレクションボックスの底面がそのままでは固定できないため、固定器具の端を切り落としました。
  -固定具の端を切ったらちょうど容器の底に納まりました。-

 冷却面にグリスを塗って、下段のペルチェを固定し、更にグリスを塗って、コレクションボックス底面に
固定したペルチェ素子を固定しました。 グリスは、AS-5を使用しました。(熱伝導グリスは安価な物でも大丈夫なようです。)
  -M3のネジでコレクションボックスの底面を固定。-
 
ずれないように、注意しながらしっかり固定をしました。

 上面からの様子です。
  -4か所固定しました。(後からネジも塗装しました。)-
 ボックス底面のペルチェ固定の際に、樹脂を盛りつけしすぎましたので、大分盛り上がっています。
 このため、あまり美しくないです。(^_^;)  (プラスチックネジの方が、熱伝導性が悪いので良いかもしれません。)

 ファンをヒートシンクに取り付けました。
  −矢印は高電圧をかける電極です。-
 
電極端は、塗装されないように、裏に折り畳んでおきました。

 

 PC電源は、玄人志向の400W 電源を使いました。 (昔と今の購入では、24Pと20Pと違ってました。)
 
 これに、アイネックス ATX電源検証ボードを使いました。
 (秋吉先生の記述では、ピンショートの記述もありましたが、精神衛生上、検証ボードを使いました。
  ファンの電源も出ているため便利です。)

 
 20P の場合です。
  4ピンは余りました。
 4P分は、入れなくても動きました。
 
 
 24Pの場合
  ピンは余らず入ります。

 ファンの電源との接続です。
 
 一つは余りますが、動作します。
 CPUクーラー忍者3は、ファンにコントローラーがついていました。
 
 こちらでコントロールができますが、基本的には最大風量としておきます。

 ペルチェ素子と電源の接続です。5Vが上段のペルチェに、12Vが下段のペルチェに接続します。
 
 向かって左がペルチェ素子側、右が電源側です。この機種では、12V が黄色、5Vが赤となっています。
 直接接続しても良かったのですが、電源は他の実験にも使えるので、ペルチェ側にコネクターを
 繋ぎました。秋吉先生の記述には、コネクターを入手して繋いでいますが、管理人の近所には
 コネクター単体を販売しているお店はなったので、ビックカメラ柏店でATX電源延長コード(IDE用)を
 購入し、必要な側を切断し使用しました。(今度秋葉原に行ったら購入しておこうと思います。)

 ボックスの蓋の上部内側に、100均の隙間テープを貼りました。ここにアルコールを染み込ませます。
 


  完成です。2台並べました。 
 

 小学生が使うので、ファンで指を傷めないように、ファンにカバーを付けました。
 
 100均の園芸コーナーにある樹脂製の網を使いました。
 
 カバーをすることにより、小学生でも怪我をすることなく観察できると思います。

 エタノール放射線源です。
 
 手指消毒剤がコストを考えると安いと思われます。
 手前が放射線源です。ラジウムのセラミックボールをネットで購入しました。


 以前から所持していたCPUクーラーを使った小型のものです。(Intel製?型番不明です。)
 
 冷却面は3cm角なので小型ですが、こちらでも観察できました。
 (こちらは、ファンがLEDで青く光るので、かっこいいです。(^_^;) 

 3台並べてみました。
 
 科学クラブは、1グループ4〜5人、3グループあるので、これなら、みんなで近距離で観察できそうです。

 電源を入れ、2〜3分程度で観察できました。
 
 セラミックボールの周囲の線状のぼけた白い曲がった筋が、α線の軌跡です。
 3台とも安定して観察できました。

 照明は、100均のLEDライトを使用しました。
 高圧電源は、科学クラブまでに間にあわず、使用しませんでした。
 また、アルコールを循環させる装置や曇り止めの装置も間に合いませんでした。
 (どのように作るか構想の段階なので、今後検討します。)
 

 

 

 

測定編

 実際にどの程度の冷却能力があるのか計測してみました。
  検証ボードの電源を入れても電源が入りませんでした。
 
 そうしたら、こちらにも電源がありました。(^_^;) 

 非接触型の温度計で計測してみました。
 
 -27.8度の表示です。 運転開始後2〜3分です。

 さらに時間が経つと、・・・
 
 -39.5度の表示となっています。こんに下がるのでしょうか? 

 さらに時間が経つと、・・・
 
 約−50度です。 

 こんなに冷えると思いませんでした。 ・・・

 しかし、温度計の計測範囲を見てみると、-32度〜+400度までとなっておりました。

 ですので、測定範囲外です。(黒い面は測定しにくいのかもしれません。テープ等を貼って
 測定すると良かったかもしれません。)

 

 そこで、接触型の温度計で計測をしてみました。 
 
 テスター付属の温度計で計測してみました。

 運転すると見る見るうちに温度が下がります。
 
 -28度を示していました。

 数分運転しましたが、約ー30度程度で推移していました。
 

 しばらく運転しましたが、-30度前後でした。
 
 ペルチェ素子の表面には、霜がついています。 
  後ろは、高校講座物理基礎のキャラクターの「ブツリン」です。
 

 

 

 

実用編

 科学クラブでの様子です。

 
 奥は、ドライアイスの霧箱です。この時は前日に用意しておいたドライアイスのほとんどが
 昇華してしまったので、ペルチェ素子の霧箱も用意しておいてよかったです。

 中心部のぼけた線状の軌跡がα線の軌跡です。
 

 今後も放射線の実験の際は、活用していこうと思います。

 

 

 

< 気づいた点、改善点等 >

1. 高電圧装置が間に合わなかったので用意する。空気清浄機用電源を利用する予定。
   (β線の観察が容易となるようにしていく予定。)

2. LEDライトの電源をATX電源から供給する。また、容器の蓋に固定をしたい。

3. アルコール蒸発用ヒーターや循環用装置、曇り防止用のヒーターを増設したい。

4. 今回の機種は冷却面が小さいので、銅板等を使用し、より広い面での観察を行いたい。 
   空冷より高性能と思われる水冷式の霧箱も検討したい。他の方の報告では、容器下部の断熱を
   行うと、広い面積の冷却が可能のようであった。

5. 暗がりの中で観察するので、特に小学生の場合はファンカバーは怪我の防止に有効と思われた。

6. これだけ安定して冷却できているので、グリースは高価なものでなくとも可能と思われた。

7. 樹脂製のネジの方が熱伝導しにくいので、容器の固定を樹脂製のネジとした方が良いと思われた。

8. 表面の塗装の改善。アルコールにより侵蝕されるので、ウレタン系とするか、黒い樹脂の薄い板の方が
   ベターと思われた。

9. ドライアイスを事前に用意する必要が無いのは、コストや準備の点からも、とても助かった。

 

 

 

 ホーム > 機器・材料一覧 > ペルチェ素子 霧箱 製作記

 

                              千葉県柏市立富勢西小学校  科学クラブ 日記

 

実験機器・材料のページに戻る

                                               

 

 

 

inserted by FC2 system